「マッケンジー・フォイの可憐な美しさこそがファンタジー」くるみ割り人形と秘密の王国 琥珀さんの映画レビュー(感想・評価)
マッケンジー・フォイの可憐な美しさこそがファンタジー
悪い要素は何ひとつないのに、どうしてだろう?
舞台的な美術もバレエも衣裳も出し惜しみすることなく、たぶん金銭的なことも含めてかなり頑張っていると思います(専門家の方がどう評価するのかはわかりませんが)。それなのに、淡いモヤモヤ感が残りました。
強いて言えば、どの役者さんもなぜかこの映画の劇中人物に成り切ってるように見えない、というか。
ファンタビのジョニー・デップは始めから終わりまでグリンデルワルドであって、決してジャック・スパロウには見えなかったのに、キーラ・ナイトレイが武張った時は、オーランド・ブルームが後ろから出てきそうだったし、モーガン・フリーマンがしたり顔の時は、ジャックニコルソンとかトミー・リー・ジョーンズとかのバディ(相棒)が後ろに控えて、オレも手伝うぜ、と出てきてもおかしくなかったし、ヘレン・ミレンはジェイソン・ステイサムかブルース・ウィルスの頬っぺたにビンタ食らわして叱咤してそうでした。
マッケンジー・フォイはめちゃくちゃ可愛いかったけれど、どうしてもインターステラーのマーフィー(マーフ)が、よくぞここまできちんと知的な面を損なうことなくすくすくと可憐に麗しく育ってくれたな、と親心的に素直に感動してしまいました。
何はともあれ、マッケンジー・フォイの浮世離れした美しさを鑑賞するだけでも満足度が高い作品だと思います。
娘の少女時代を懐かしむ親のような気持ちで『インターステラー』を久し振りに鑑賞。
今更ながらなんと贅沢な映画であることか。父親思いのマーフにグッとくるのはもちろん、ここで描かれている科学的知見が、君の名は。やペンギン・ハイウェイの理解にも役立つことが分かります。
その上、ゼロダークサーティや女神の見えざる手のジェシカ・チャステインの知的で強い魅力、言わずもがなのアン・ハザウェイ、更にジェイソン・ボーンシリーズのあの人がカメオ出演。「2001年宇宙の旅」の深淵さとオールスターキャストの娯楽性を兼ね備えた最高のSF作品です。言い忘れましたが、マシュー・マコノヒーもとても頑張ってます。