「何もしない事が忙しいのは難しいです。」プーと大人になった僕 マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
何もしない事が忙しいのは難しいです。
公開されてからかなり経ちますが、公開終了ギリギリでやっと観賞。
字幕版がやってなかったので吹き替え版で観賞しました。
感想はと言うと、まあまあですが、ほっこり出来るし、観て良かったです。やっぱりディズニー作品は観ると幸せな気分になりますね。
ただ、割りとワーカーホリックには耳の痛い話ですw
100エーカーの森でプー達と遊んだ日々から数十年。大人になったクリストファー・ロビンは仕事に追われて、家族との交流もままならない日々を過ごす毎日。そんな時に突如プーが訪ねてきて、戸惑いを感じながらも忘れかけていた気持ちを取り戻していく…とは言っても、大人になれば、そんなもんだとある程度納得しているので、今更子供の頃の気持ちと理屈を出されても些か困る事ってある訳ですよw
純粋だったクリストファー・ロビンも寄宿舎に入り、競争やいじめ、いろんな現実との直面。あげくの果てには戦争に行って、厳しい会社で日々業務に追われる。
勿論家族の為なのに、家族とはすれ違い、苛立つ気持ちは分かります。
なので、突如やってきたプーに苛立ちを感じるのも十二分に分かる。
忙しいのに蜂蜜で周りを汚して、のほほんとしているw 純粋だけど、プーの言動と行動は手間がかかる感じ。
でも、100エーカーの森に帰って、プーがロビンに“僕も捨てたの?”“さよなら”と言った時は結構衝撃的で捨ててるつもりはないけど、そう見えるし、そう思われてるんだなぁと思うと、何の為に頑張ってるんだろう…となりますよね。
あのシーンはホント、キュンとなると言うか切なくなりました。
だから、会社と仕事に追われる事が決して良い訳ではないので、観賞中も“仕事やからしゃあないやん。大人なんやから”と思いながらも“ONとOFFの折り合いをつける事はやっぱり大事”と改めて思わせてくれます。
後半からの娘のマデリンとプーが出会ってからテンポが良くなって、急に面白くなります。
ただ、ラストのコストカットの辺りは取って付けた感じが多々ありとロビンの吹き替えを担当した堺雅人さんの吹き替えに終始違和感が拭えなかった。個性の強い役者さんが吹き替えを担当すると、どうしても個性が際立ってしまうので、最後までユアン・マクレガーのクリストファー・ロビンではなく、堺雅人さんのクリストファー・ロビンでしたw
大人の理屈で観ると“そんなに社会は甘くねえよ”と考えてしまいますが、仕事に翻弄されまくる人生に意味はやっぱり無いと思うので、仕事だけの人生ではなく、ONOFFをつける為に余暇を確りと入れる事を確りと考える事を改めて教えてくれます。
ただ、「何もしない事が忙しい」は禅問答みたいに思ってしまうので、それを実行するのはなかなか難しい。
公開終了ギリギリでしたが、観て良かったと思いました。