「黒木華の怪演が唯一の見どころ」来る MADAKIさんの映画レビュー(感想・評価)
黒木華の怪演が唯一の見どころ
(レビュー、結構気合い入れて書いたのにサイト上に反映されてなかったのが一番のホラー)
キャッチコピーで「怖いけど面白い」とか言ってるけど、それはしっかり全体通して怖さがあってこその話。面白い部分だけ独り歩きしても仕方ないということが、制作陣にはいまいちわかってないのでは。
原作好きな人には決してお勧めできない。逆に原作未読ならそこそこ楽しめる(ラスト前くらいまでは…)
【良かったところ】
・前半3分の1の描写は原作の怖さ、叙述トリックの伏線をよく映像化できていた。妻夫木聡の勘違いイクメンっぷりの演技も見事。
・中盤、黒木華が子供を守り育てるシングルマザーと、無自覚DV夫から解放されて愛に生きようとする女性の、背反した性格の演じ方は鬼気迫るものがあった。清めの塩を踏みにじるときの彼女の笑い方が作中で一番怖かった。
・登場人物のビジュアルは全体的にすごくマッチしていた。
【悪かったところ】
・原作を高評価しすぎなのかもしれないが、映画化にあたって改変した箇所が悉くダメ、逆に原作から重要な部分を悉く削ってしまっている。
・特にクライマックスの除霊のシークエンスはマジで意味不明。結局事態を収拾したのは松たか子演じる比嘉琴子で、ほかの霊能者やら神職やら何の役にも立ってないじゃん。キャラの立ったユタっぽい人たちをあっけなく始末したのだけは高評価。
・妻夫木君の小さい頃の知り合いっぽい女の子の伏線、投げっぱなし。娘の名前と同じだったから何なんだよ。
・映像化にあたって「ぼぎわん」の正体とか、田原家に絡んだ血生臭い因縁とかの描写を全部カット。結婚式に尺取る暇あったらこっちをちゃんと書いてほしかった。
・本来名前のない怪物に、西洋の人がブギーマンと命名→訛ってぼぎわん、という種明かしがすごく好きだったのに、そこも丸カット。おかげで瀬川がただの間男にしかなってない。
・クライマックスのシーン、姉妹喧嘩してる場合じゃないだろ。真琴はもっと信念があるタイプだと思っていたのに、ただの邪魔者にしかなってない。
・行方不明になったはずの「ちさ」がいつの間にか縄で縛られた状態で琴子の手元に出現。手品かよ。
・ラスト、岡田君ナイフで腹刺されてマンションの6階ぐらいから
墜落してるけど、病院行かなくていいの?てかよくその血まみれの状態でコンビニ入って店員から何も言われなかったな。
・オムライスの歌はいくらなんでも観客を舐めてる。