「悪い親には“あれ”が来る」来る 浮遊きびなごさんの映画レビュー(感想・評価)
悪い親には“あれ”が来る
“ホラー映画”とひとくちに言っても世の中にゃ色んなホラー映画があるわけで、
例えば『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』も『エクソシスト』も
『13日の金曜日』も『リング』もホラーだが怖さの方向性がまるで違う。
その方向性ごとの物語のフォーマットもある程度は存在すると思うけど、
『回路』や『イレイザーヘッド』等のとんでもなくエグい角度を攻めてくる変化球もある。
(先日の『ヘレディタリー/継承』もまた既存の手法や観点に縛られない魔球だった)
『来る』もそう。既存のホラー映画のフォーマットなんぞどこ吹く風の変化球。
監督が中島哲也という時点で普通のホラーにはならないとは思っていたが、それでも
『告白』『渇き。』のテンポを多少ホラー的テンポに落としてくるかと思っていた。
いえいえノンノンですよ。まぁとにかくスピーディでカットも多くてキレが良いですよ。
なので通常の幽霊ホラーのようにじわじわ恐怖を煽るような怖がらせ方は
しない……というか手法上できない訳で、この映画の怖さはまた方向性が違う。
怪異そのものではなく、その根幹にある人の心に焦点を当てている印象。
構成や語り口のテンポはエンタメ性が高く、登場キャラの個性も強い為、
総じて“怖い”というより“怖面白い”映画に仕上がっていた。
賛否両論ありますが、個人的にゃ大満足の4..0判定で。
...
まず登場人物について。
承認欲求を満たすことしか頭にない秀樹、恋人に堕胎させた後悔に苦しむ野崎、
ゲッスい津田さんなど、情けない男性陣に対して女性陣の強いことカッコいいこと。
松たか子演じる琴子はユタでありながら国家権力すら動かす、霊能界の
ゴルゴ13みたいなスゴイ人。淡々と冷徹に仕事をこなす姿がカッコ良すぎ!
生死は不明だけど、そう簡単に死にそうにないよねえ、彼女。
その妹・真琴を演じたのは小松菜奈……ん、へ? 小松菜奈? いや嘘でしょ、
誰このパンクガール?! 「あたしバカなんで」と言うが、自分の身も
顧みずに他人の子を守れる、登場人物中で一番優しい彼女が素敵。
そして意外や柴田理恵もカッコイイ。方言丸出しの田舎のばあちゃん
なのに(「すんずられるのはいだみだげ」)、存在感と胆力の凄いこと!
女性陣でも黒木華はカッコ良くはないが、人の業深さという恐怖を
一番見せ付けたのは彼女。どんどん疲弊し壊れていく様の説得力。
トイレで血溜まりに横たわる彼女の表情は笑っているように見え、そこが僕は
本作で最も恐ろしかった。彼女はもう母であること、自身が憎む母へ近付く
ことに悩むことは無くなった。あれはそんな安堵の笑みだったのだろうか。
...
そして、“ぼぎわん”または“あれ”と呼ばれる怪異。
一般にホラー映画の幽霊や怪異って、序盤ジワジワ攻めて最後に畳み掛ける
持久型ボクサー的なお方が多い印象だが(ホラー感台無し表現)、
“あれ”はゴングが鳴るや全力疾走で飛び膝蹴りを食らわす山本KID徳郁的な
超アグレッシヴ妖怪さんで、こちらが対処を考える暇も与えてくれない。
「来る」と思った瞬間には肩切られたり腕もがれたりと容赦ナシ。
特定の獲物に執着し、邪魔者も手当たり次第に襲う怒り狂った獣のようだが、
襲う相手の恐怖を読み取って声や姿を変えて巧みに騙す狡猾さもある。
“あれ”が見せる恐怖はどれも親子に起因するものだった。
自由に生きたい、責任が怖い、様々な理由で子を愛せない親。
親からの身的/心的暴力に怯え、恨み、それでも愛情を求める子ども。
今でこそ“DV”や“ネグレクト”等の単語が一般的になりつつあるが、思うに
そういう事例は大昔から存在していたんだろう。集落や大家族で子育てを支援
する環境が減り、そういう事例が目立つようになってきた、という話だと思う。
劇中で語られる“子捨て・子殺し”の風習も、根底にあるものは同じだ。
土地としての世間体や後ろめたさから表に出ないだけで、日本各地に
そんな事例は存在するはず。その後ろめたさを負ってもらおうという
意思から生まれたのが、本作で言うところの“ぼぎわん”伝承だ。
...
映画内では明確な姿も正体も曖昧だった怪異。原作ではそこがもっと
詳細に記述されてるようだが(カミツレさんのレビューを参照されたし)、
原作未読の僕は、この映画において猛威を振るった“あれ”は、
端的に書けば「妖怪ではなく人の怨念である」と解釈した。
“子捨て・子殺し”で死んだ幼い子ども達の無数の怨念。
愛してほしいのにどうして怒鳴るのか、虐めるのか、捨てるのか、殺すのか。
行き場のないその怨恨が、まるで実在するかのように伝承された“ぼぎわん”
という名を依り代に凝縮され顕在化したのが“あれ”だったのではないか。
だから“あれ”は特定の姿を持たない。
“あれ”は無数の子どもたちの凝縮体だから。
だから“あれ”は子どもをさらう。
親に愛されない子どもを憐れみ、一緒になってあげたいから。
だから“あれ”は親を無残に殺す。
子どもの残酷さは時として無尽蔵で、そして“あれ”は
子どもを愛さない親たちを恨みに恨んでいるから。
だから“あれ”は強力無比だ。
子が親に向ける愛憎という複雑で強烈な感情の無数の凝縮。
そんな恐ろしいものに生半可な理屈が通用するだろうか?
...
野崎と真琴が助かったのはそこだと思う。琴子なら強力な
“あれ”を殺すことも可能だが、それが嫌なら方法はひとつ。
その子を普通に愛してあげること。
野崎と真琴と知紗のちぐはぐ親子がこの先どうなるかはわからないが、
あの子を“オムライスの国”に居させてあげたいと努力する内は安泰だろう。
野崎も真琴も、他人だからこそあの子の苦境に気付けたし、
他人だけれどあの子を守ろうと命懸けになれるほど優しい。
思えばあの夜、父と母と一緒にオムライスを食べていられれば、
“あれ”があんな急速にあの子に取り憑くことも無かったんだろうか。
「親の愛は偉大」なんてテンプレのように言われるけれど、
子どもを愛せない親を脊髄反射的になじる人もいるけれど、
初めから悪い親になりたくて子を生む親なんていない。けど誰だって、
自分が傷付いたり苦しんだりするのは怖いし、親が子を愛し続けるのは、
人や環境によっては言うほど当たり前でも簡単でもないことなんだと思う。
“ぼぎわん”を生まないようにするには、親が親になれるよう、
気付いた周囲も少しでも助けてあげることが大事なのかも。
ううむ、そう偉そうに書く自分も我が子をしっかり守ってあげなきゃね……
……あれ? ああ、そうだった、僕には娘も息子もいませんでしたよ。
あ! それどころか奥さんもいないね! 失敬失敬、アッハハハハハ!
ハハ……ハ……
……誰か幸せ家族を崩壊させる妖怪の魔導符とか持ってませんかね!?
ほんの100枚くらいでいいんで!!(津田さんよりゲスい)
<2018.12.08鑑賞>
.
.
.
.
余談:
秀樹はホントにダメな夫/父だったが、娘を守るというその気概
だけはいっぱしの父親だった。それに、彼がかつて仲の良かった
少女の名前を娘に無意識に付けたのは、あの少女を救ってあげたい、
守ってあげたいという後悔の念からだったのかもしれない。
浮遊きびなごさん、どうもこんばんは。カミツレです。
コメントへの返信、いつもありがとうございます!
>猫がPCの上で暴れ回った後で偶然打ち込まれていた文章をほぼそのまま投稿したもの
確率論の「無限の猿定理」みたいな話ですね(笑)。そりゃ、時間がかかる訳だ……(^-^;)
残念ながら、私は『メリー・ポピンズ リターンズ』を観ていないのです。
「きっと観ていたら共感するんだろうな……」と思いながら、レビューは読ませていただいたのですが……。申し訳ないです。
『バーニング』は、すさまじい傑作だと思うのですが、万人にオススメできるタイプの作品ではないですね……。
実は白状すると、私も村上春樹の小説はほとんど読んだことありません。原作の『納屋を焼く』も、映画の公開に合わせて初めて読んだくらいです。
『バーニング』は、「村上春樹作品の映画化」というより、“韓国ノワール”を期待して観るとハマるかもしれません。
ポン・ジュノ監督の『殺人の追憶』、『母なる証明』とか、ナ・ホンジン監督の『チェイサー』、ヤン・イクチュン監督の『息もできない』……などなど。
このあたりの作品が好きであれば、きっと気に入ると思いますよ。
本は大好きです♪ 小説も漫画もたくさん読みますよ~(o^―^o)
小説はSFが一番好きで、飛浩隆さんとかグレッグ・イーガンが特に好きなんですが、SF以外でも貴志祐介さんとかは好んで読みますね。
今は映画の公開に向けて、フィリップ・リーヴの『移動都市』を読んでます。
冬眠から覚めて、ちょっとエンジンがかかってきました( ̄▽ ̄)
昨日は、自分としては初めて1日に2本のレビューを上げることができました!
きびなごさんの新作レビューも楽しみにしております♪
お互いぼちぼち頑張っていきましょう!
さて、今回はこのあたりで。それではまた~。
浮遊きびなごさん、ご無沙汰しております。カミツレです。
コメントの返信が大変遅くなってしまい、申し訳ありません!
しばらく冬眠状態が続いていましたが、最近ようやく活動を再開することができました。
1週間ほど前に『メリー・ポピンズ リターンズ』のレビューを投稿されていましたね。
どちらが先に新作レビューを書き上げるかの勝負は、(私から言い出しておきながら)私の完敗ですね(^-^;)
少々出遅れてしまいましたが、私の方もなんとか無事に今年一本目のレビューを上げることができました。
あまりにブランクが空いてしまって、全く書ける気がしませんでしたが、とりあえず一安心です。
お互いに新作レビューを上げることができて、本当によかったです。
『回路』ではたしかに「孤独への恐怖」がテーマになっていましたね。
死ぬこと自体への恐怖は、これまで何度もくり返し描かれてきた普遍的なテーマですが、「死んだ後も孤独かもしれない」という恐怖を描いた作品は、他に例を見ないと思います。
『CURE』の方ももしご覧になられたら、またぜひ感想をお聞かせください。きびなごさんのご意見を心待ちにしております♪
『イレイザーヘッド』観ました!
これに比べると『マルホランド・ドライブ』はなんと親切で分かりやすい作品だったのだろう!と思いました(笑)
ここまで振り切ってしまうと、もはや安部公房とかつげ義春の『ねじ式』の世界ですね……。
正直言うと全く好みではありませんが、たぶん一生忘れられない映画体験にはなりました(^-^;)
さて、今回はこのあたりで。それではまた~。
浮遊きびなごさん、こんにちは。
私のまわりでもインフルエンザが大流行しています。
幸いにも私はまだ罹っていませんが、きびなごさんは大丈夫でしょうか。
『遊星からの物体X』いいですよねえ。
「ワンコがバリバリーとなってモシャモシャ―となる」──すごくよく分かります(笑)
昨年のリバイバル上映で観たのが私にとって正真正銘の初鑑賞だったのですが、地球外生命体の造形と見せ方に様々なアイデアと工夫が凝らされているので、今でもあんまり古びていないなあと感心しました。すごく面白かったです!
『CURE』と『回路』を久しぶりに観返してみました。
黒沢清監督作品には、「作品内に(リアリティとは無縁の)独自の理論やルールが存在する」という特徴があると思うのですが、『回路』はその作品内の理論やルールが際立って独特で面白かったです。(「あかずの間の作り方」とか、霊魂の許容量は無限ではないという話とか)
実はインターネットとはあまり関係のないホラーになっている気がしますが、作品のベースには当時のインターネット世界に対する漠然とした不安や恐怖があると思いました。当時は『シュガー・ラッシュ:オンライン』のようなポップでカラフルなイメージではなく、もっと得体が知れなくて闇が深いイメージを抱いていた気がします。それこそ、“あの世”とつながっていたとしても不思議ではないような……。
『CURE』はあらためて観て、その圧倒的な完成度の高さに驚きました。
当時は心理学が一つのブームになっていて、催眠術や暗示を題材にした小説やドラマがたくさん作られていた記憶がありますが、本作はそれらの“なんちゃって心理学もの”とは一線を画する内容になっていると思います。とは言っても、「心理学的考証が正しい」ということではなく、あくまで独自の理論やルールに基づく不思議な説得力があるということなんですけどね。
きびなごさんのレビューを楽しみにしていますよ♪
……と書いていて気が付きましたが、レビューの更新が途絶えて久しいのは私も同じですね(^-^;)
こうなったら、どちらが先に新作レビューを書き上げるか競争ですよ!(笑)
浮遊きびなごさん、こんばんは。
いえいえ、いつも丁寧にご返信いただきありがとうございます。
お仕事、一段落付いたようで何よりです。お疲れ様でした!
読んでいただける方のことを考えると、
『インクレディブル・ファミリー』の時ぐらいの文量(1500字程度)で、
さくっとその日の内に書き上げるぐらいが理想的だと思うのですが、
思い入れの強い作品ほど書きたいことがどんどん浮かんできて、
短くまとめるのが難しいんですよね。結果、時間もかかってしまうという……。
最近はもう完全に開き直っていて、4000字超えの大作レビューが続いていますが(^-^;)
文中での呼び名の件、ご了承いただきありがとうございます。
それではさっそく「きびなごさん」と呼ばせていただきますね。
きびなごさんのCheck-in作品欄を見させていただきました。
いくつか気になったものを挙げさせていただくと……
➀遊星からの物体X
昨年のリバイバル上映にて、劇場で初めて鑑賞。素晴らしかったです!
➁イレイザーヘッド
最近、同監督の『マルホランド・ドライブ』を久しぶりに鑑賞してみたら、これが望外に面白かったので(初鑑賞時は全く意味が分かりませんでした。)、こちらも観てみたいです。
➂黒沢清監督作品
一応『CURE』も『回路』も過去に観たことはあるのですが、10年以上も前のことなので、久しぶりに観返してみたいなと思いました。『クリーピー 偽りの隣人』もなかなか面白かったですし。
情報ありがとうございます! 参考にさせていただきますね。
こちらこそ、毎度長々とすみません……(^-^;) 返信はお気になさらず。
ご心配いただきありがとうございます。
きびなごさんも、体調にはお気を付けくださいね。それでは、また~。
浮遊きびなごさん、ご返信いただきありがとうございます。
体調の方も落ち着いておられるようで、何よりです。
私も一つのレビューを書くのに、同じぐらいかそれ以上の時間がかかります。
土曜の早い時間帯に新作映画を観に行って、
そのレビューを書くのに週末が丸々つぶれるということも多々あります。
私も極端に筆が遅い性質で、
余裕がなくなると全くレビューが書けなくなるので、
気持ちは痛いほどよく分かります。
浮遊きびなごさんのレビュー、とても楽しみにしていますが、
けっして無理はなさらず、ご自身のペースで書いていってくださいね。
くふふふふふふ、まさか『ずうのめ人形』までお読みになられているとは!
うれしくて笑いが止まりません!くふふふふふふ
たしかに叙述トリックの部分は、映像化にあたっての大きなハードルになりそうですね。
終盤でのどんでん返しは、物語の上でも必要だと思いますし。
このコメントのやりとりが作中の交換日記みたいになっているというのは、
本当にその通りで笑いました。
浮遊きびなごさんのことは「きぃ様」とでもお呼びすればいいでしょうか(笑)
またオススメのホラー作品があれば、ぜひ教えてくださいね。
かみつれ
ところで、前から一度お聞きしたかったのですが、
コメントの文中に浮遊きびなごさんの名前を出すときに、
「きびなごさん」と略して表記してもいいですか?
毎回「浮遊きびなごさん」だと、フルネーム(?)のようで、
何とも文中に収まりが悪いのです(^‐^;)
浮遊きびなごさん、毎度丁寧にご返信いただき、本当にありがとうございます。
体調の方はいかがでしょうか。
浮遊きびなごさんとのコメントのやりとりはとても楽しいのですが、かなりの長文になってしまっていて、ご負担をおかけしていないか心配でもあります。
あくまでご自身の体調やご予定を優先し、けっして無理はなさらないでくださいね。
この一年、浮遊きびなごさんが健康に過ごされ(レビューをバリバリ書かれ)るのを願っています。ご自愛ください。
原作小説、気に入っていただけたようで何よりです!
私も映画での香奈の改変はとても興味深く観ました。
なので、正確には“二幕目まで”は「この作品は中島監督の作家性にすごく合っている!これはイケるぞ!」と期待していました。
三幕目さえなんとかなればなぁ……という感じです。
余談ですが、個人的には原作の漫画チックな霊能力バトルシーンも結構気に入っていたので、普通にこれを映像化してもらいたかったです。
琴子(姉)の“煙草フレイム”はぜひとも実現してほしかった!(笑)
オススメしてくださった『残穢』ですが、映画・小説ともに未見・未読だったので、とりあえず映画版を観てみました。なかなか面白かったです♪
原作にも興味がわいたので(小野不由美さんですし)、今読んでいる小説を読み終えたら、次に読んでみようかなと考えています。
なぜかここ最近、期せずしてホラー小説ばっかり読んでいますが(笑)
そういえば、比嘉姉妹シリーズの続編『ずうのめ人形』も読みましたが、こちらも傑作でしたよ。
今回はあの『リング』にオマージュを捧げる内容になっていて、「見聞きすると四日後に死が訪れるという都市伝説」が登場します。
ホラーとしてももちろん怖いのですが、ミステリーとしても二重三重に捻りが加えられていて、非常に面白かったです。
こちらもまた映画化されれば観に行きたいなと思いました。
※長くなってしまったので、コメントを2つに分けています。先ほどの続きです。
>原作の解釈や作り手の意図(と力量)で映画と原作の内容がかけ離れてしまうことって往々にしてありますよね。
すごく分かります!(笑)。これはあくまで私個人の経験則ですが、「原作が傑作すぎると、映画化は大体上手くいかない。むしろ、原作がイマイチぐらいの方が、映画は傑作になる可能性が高い」という法則があると思っています。
例外は、最近だと(原作は漫画ですが)『この世界の片隅に』ぐらいではないでしょうか。他に思い当たる作品がほとんどありません。『この世界の片隅に』の映画は、ほぼ原作通りに忠実に作られているだけに、余計にすごいです。ありそうでなかった成功例だと思います。
>僕の好きな作家スティーヴン・キングの『ダークタワー』映画化なんて、老舗和食屋が出す特上ロースとんかつと駄菓子の『ビッグカツ』くらいの差がありましたからね。
“ビッグカツ”ですか……(笑)。逆に興味がわいてきました(^-^;)
そういえば、浮遊きびなごさんは、「スティーヴン・キング原作映画特集」を書かれていましたね。特集で紹介されている作品だけでも27作もあるのか……と驚きましたが、これだけあれば、駄作や珍作も当然生まれますよね……。
『シュガーラッシュ:オンライン』ご覧になられたようですね!
また、レビューの方も楽しみにしております♪
コメントが長くなってしまい、大変申し訳ありません。
くり返しになりますが、返信はお気になさらず。それではまた~。
浮遊きびなごさん、コメントへのお返事ありがとうございます!
いえいえ、こちらこそ、すみませんでした。
レビューの内容がとても興味深くて、「お忙しいだろうな……」と思いながらも、コメントさせていただきました。
年末年始でまだまだお忙しい時期かと思いますので、返信はお気になさらず。
>『告白』も『渇き。』も恐ろしい子ども達が物語の主軸でしたが、両作品とも親との不和がその根源として描かれていたと思います。『来る』も同じく。
たしかにそうですね。なので、原作小説を読んだ時には、「この作品は中島監督の作家性にすごく合っている!」と期待したのですが……。
>しかし“知紗”の由来もオリジナル要素だとは、そこも何かの意図や事情があるのかしらん。
「知紗」の名前の由来については、浮遊きびなごさんがレビュー内で書かれているように、秀樹なりの少女への思いを表現しているのではないかと思います。ただ、ここ以外に関しては、原作の方が秀樹を人間味あふれる人物として描いていたように感じます。
原作の秀樹は、映画版の妻夫木くんのような“振り切れたクズ”ではなく、あくまで「良い父親になろうと思っているが、なれず、理想と現実とのギャップをブログを綴ることで埋めようとしている、どこにでもいそうな普通のちょっとダメなお父さん」という印象です。
だからこそ、身につまされ、余計におそろしいと感じるんですよね。
『ぼぎわんが、来る』お読みになっているんですね!
原作を紹介した身として、すごくうれしいです♪
浮遊きびなごさん、丁寧なコメントをありがとうございました。
また、今回もレビュー本文に名前を出していただき、大変光栄です。
“あれ”についての考察、非常に楽しく読ませていただきました。
こういった解釈には明確な“正解”というものはないと思うので、他の方の熱のこもった考察を読むのは実に楽しいです。
そういえば中島監督は子どものおそろしさや残酷さを容赦なく描く監督だったなあと思い返したりしました。
「知紗」の由来が、幼少期に仲の良かった少女の名前だったというのは、実は映画版のオリジナルです。ここは、とても良い改変だったと思います。