「☆☆☆★★ 続『フラレラ』の先に有ったモノ、それは…。 めちゃくち...」来る 松井の天井直撃ホームランさんの映画レビュー(感想・評価)
☆☆☆★★ 続『フラレラ』の先に有ったモノ、それは…。 めちゃくち...
☆☆☆★★
続『フラレラ』の先に有ったモノ、それは…。
めちゃくちゃでござりまするがな〜(古い)
この監督作品ならば、原作を読んでも意味は無いだろうと思い。原作本を読む気は無かったのだが。
何分にも、通勤時間での手持ちぶたさが何とも…。
結果、原作読了済み。簡単に。
原作の題名は『ぼぎわんが、来る』
しかし、映画版の題名はシンプルに…。
『来る』
確かに、原作未読だと【ぼぎわん】んて何だよ!となってしまう。
ぼぎわん=ブギーマン
キリスト教伝来と共に、海外の悪魔伝承と言うか。人さらいに近い語源が和歌山県の一部地域に根付いている…って話だったのだが。
原作は主に3章から成り立っており。
第1章が夫の秀樹。
第2章が妻の香奈。
第3章が田原家とは部外者の野崎から語られる。
第1章にて描かれるSNSを通した、偽イクメンパパ奮闘記は。この監督が過去に描いた『フラレラ』での傑作短編を思い出さずにはいられない。
イイネ!欲しさからの暴走。その果てに行き着いてしまう炎上の嵐。ネット上で発覚した蜜に群がる魑魅魍魎の魔物達は、この作品では妻の香奈となり示されている。
直ぐ傍にいるからこそ見抜いてしまう、夫の器の小さなところ。
第1章の夫役である妻夫木聡と。第2章で描かれる、子育てに疲れた妻役の黒木華。
この2人の演技は、原作をも上回るくらいのキャラクターになっていて、尚且つかなりの熱演。内容自体も、この監督にしては意外と言うか。原作の主だった筋からははみ出さずに描かれており。ちょっと拍子抜けを感じながらの鑑賞でした。
確かに、幾つかの原作には無い変更箇所は有るには有って。例えば、大量の虫が投入されていたり。やたらと◯ムライ◯が強調されたりと、言ったところは見受けられるのだが。それほどの違和感は感じられなかった。
第3章の最初の方までは!
問題は、最強の霊媒師役の松たか子が本格的に登場してからだった。
やりやがったな!中島哲也〜!
もうめちゃくちゃでござりまするがな〜。このフレーズやっぱり古いけど、2回も言っちゃったわ〜(。-_-。)
おいおい!ひょっとして、大量の血飛沫を使いたかっただけなのか〜!…と、叫びたくなってしまった。
最早、原作はどうでもよくなってしまっている。
いや!別に、原作至上主義では無い(寧ろそれほど良い小説とは思ってはいない)ので、原作通りで無くても構わないのだけれど。
大体《彼奴》は、デカイ口の筈。
それなのに、やって来るのは常に《血だらけの手》なのだ!
そりゃ〜口が襲って来たところで、実写で見たら怖さには繋がらない。との考えたのならば、分からなくは無い。
しかし、妻夫木の同僚役の太賀の傷跡は。原作どころか、映画でも「噛まれた跡」とはっきりと言ってしまっているのに…。
第3章で明らかにされる【ぼぎわん】の秘密。それは、田原家に代々祟られた呪いで有り。古くからの因習を始めとした、日本全国つづ浦々に伝わる伝承だからこその怖さが、その裏には有った筈だったのだけれども。
とは言え、この最後のやり過ぎなスペクタクル。
恐怖と笑いは表裏一体を表すが如く。明らかにコメディーに振った演出もチラホラ。正直なところ、3回程ゲラゲラと笑ってしまったのも事実でした(¬_¬)
…と、此処まで書き込んで、「そうか!」と思った事が!
映画版の題名に何故【ぼぎわん】が無くなっているのか?
まさか?原作者との間に、「やりたい様にやっちゃって良いですか?」とのやり取りが有ったのか?…と。
もしもそうだったならば、題名から【ぼぎわん】が消えた訳も分からなくも無いのだけれど。
まあ、この監督ですからね〜!と言うしか無いですね〜。
2018年12月9日 イオンシネマ市川妙典/スクリーン2