「『じわる』映画」半世界 marimariパパさんの映画レビュー(感想・評価)
『じわる』映画
いつも映画評で「ジャニーズ主演だから」「AKBだから」等々でうがった見方(と私自身は思っているのですが)を目にして「いや映画、役者そのものをちゃんと観ましょうよ!」と常々思っているのに今回「吾郎ちゃん、大丈夫かな~」なんて先入観を抱いてしまったこと、大いに反省です!
稲垣吾郎さん、いい役者さんじゃないですか?!寡黙で不器用な山の男、妻や子供を顧みず、一途に父親への意地を貫き通す頑固者をとてもよく演じられていました。
長谷川博己さん、今回は若干ワイルド系でしたが言うまでもなくいい演技!大人になってしまった今、主人公との友情をうまく受け入れられないもどかしさをひしひしと感じました。主人公の息子にいじめに対抗する術をレクチャーするくだり頼もしい限りで、これもまた友情の気持ち満載ですね。
幼馴染み3人の『三角形、二等辺じゃなく正三角形』渋川清彦さんの言葉を借りるとこの言葉が染み入ります。中高生の時代、こんな友人が必ずいましたよね~。
それから池脇千鶴さんの堂に入った幼馴染みの同級生奥さん、流石です!内緒でホテルへ再交渉に行ったところ、変なたとえで支配人を説得するところ、そして勝ち取ったらしいくだりは泣けてきます。
主人公と義父との会話そして最後の留守電の『秋刀魚』の下りは笑っちゃいました。
先日観た映画『まく子』で草彅剛さん、しっかり俳優してるじゃないって思ったように、稲垣吾郎さんも歌じゃなくてこの路線で行ったほうがいいんじゃないかと思います。
(香取慎吾さんはファミマやキットカットがありますので大丈夫?!)
これは隠れた名作(隠れてないってか?)だと思います。
大きな映画館で観たかった作品です。40代を過ぎ不惑な世代に入った皆さん、是非観賞ください。