「21世紀に思う」イカリエ-XB1 bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
21世紀に思う
数年前、星新一さんの短編集を引っ張り出して手当たり次第に読み返した。21世紀を20年近く過ぎた今、巷に溢れる空想科学小説の、ファンタジー小説の、原器とも言える「ネタ」が満載である事に、改めて驚かされた。
「2001年宇宙の旅」が1968年。「宇宙大作戦No.1(Star Trek1)」の出版は1967年。1963年に当時社会主義国家だったチェコスロバキアで、こんな映画が撮られていたなんて卒倒もんだ。
オイラにも作れそう!な模型。舞台劇かよ!って突っ込みたくなるスタジオセット。でも、無に等しい状態からこれらを創り出した想像力には、素直に敬意を表します。じいちゃん、カッケー!
翻って、50年以上経った今、オイラ達の世代が作っているものは何なのだろう、って考え込んでしまう。
70年代に予言された21世紀の風景は、科学の進歩、現実的な費用の問題から実現にはほど遠い。まぁ、そっちは現実世界を生きるオイラ達の仕事としてやね。
創造的な空想科学を生業とする人達には、次の50年、100年、200年先のことを思い描き可視化して欲しい、って思う。
知能の発達した猿が支配する社会で……イヤ、そうじゃなくって、、、
核戦争後の世界を舞台に人類の存亡を賭け……だからさー
最終兵器はヒト型アンドロイド……あのね、、、
生き残った人類は巨大宇宙コロニーの……もう、、、良いよ、何だって。。。
映像化技術の飛躍的進歩(電算機演算速度の跳躍によってもたらされた)は、想像力を豊かにする一方で着想の貧困も招いた。ってのが今晩の結論。DVDも買っとこうと思う。
向かっていたのはイスカンダルでした的なオチ、カビ臭さのカケラも無くて、これまた卒倒もの。さすがに絵面はクラシックだけど。