「もっと毒味が欲しい。」ヴェノム 財団DXさんの映画レビュー(感想・評価)
もっと毒味が欲しい。
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【ヴェノム】感想
賛否両論ある本作は簡潔に良かった点と悪かった点で分けたいと思う。
・良かった点
とにかくヴェノムのCGが素晴らしい。生々しいよだれや牙、シンビオートのスライム感はさすがハリウッドの一流技術である。また、失墜して荒んでいくエディを演じるトム・ハーディの人間臭く、情けなくそれでいてどこか愛嬌のある人物像は完璧であった。
何と言っても白眉はアクションシーンだろう。一言で言えばケダモノ感!巨体が恐ろしくもエキサイティングに暴れまわる映像は今までにないヒーローアクションだ!!
ミシェル・ウィリアムズやリズ・アーメッドら脇役陣もハマり役。
・悪かった点
1番残念だったのはグロテスク描写が残念なほどに抑えられてた点だ。いくらブロックバスター映画だとしても、ヴェノムなのに血の一滴も出ないのはかなり不自然だ。人間を食べる描写が丸々カットなのも“らしさ”を感じない。
さらにはヴェノムが寝返る動機が薄すぎる。近年の悪役一辺倒な描かれ方とは一線を画して、弱者救済の信念がある原作をリスペクトしたのだろうが、ヴェノムがエディの負犬っぷりに肩入れする理由をほとんど描かなければご都合主義もいいとこだ。
ライオットとの戦闘シーンも短くて物足りなく、決着の仕方もあっさり。最初から隠れてロケットに細工すれば良いではないかと思うのは私だけだろうか?ライオットがドレイクに乗り移る経緯も然り。もう少し彼の孤独や怒りを描きながら乗り移れば良かった。
何にせよトム演じるエディは文句無し。カーネイジとのバトルがある次回作に期待したい。
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