「何となく見たわりには良かった」トラさん 僕が猫になったワケ 太野さんの映画レビュー(感想・評価)
何となく見たわりには良かった
Twitterやここでのレビュー評価が高かったので仕事終わりに観賞。期待してなかったわりには良かった。個人的にはお金をかけてるハリウッド映画より好きかもしれない。
ストーリー自体はベタだが、ベタだけに裏切らないので泣ける。コメディのように見える猫の着ぐるみも意外とミュージカルのキャッツ的な感じで見られた。本物の猫に声を当てずに、あえて最初から最後まで人間が演じたのは家族ものの映画として良かったと思う。
そして猫の着ぐるみという奇抜な演出と相反するように、この家族にはリアリティがあるのも良かった。泣かない、感傷的にもならない、もう父親はいないんだなぐらいな感じで淡々と日々を送っていく残された母子。個人差はあると思うが、身内が死ぬってそういうことだと思う。でもその凡庸で身近な死の感覚、地に足の着いた死との距離の取り方が凄く好ましく思われたし、そこから静かに立ち上がる感情の機微にはグっと来ましたね。
ROBOT製作の映画はやはりはずれなし。
家族で見に行くことをお勧めする。
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