「秀作の一作目を発射台にした大傑作」シュガー・ラッシュ オンライン ドラコさんの映画レビュー(感想・評価)
秀作の一作目を発射台にした大傑作
こんなことってあるんだろうか。
本作の一個前にあたる「シュガーラッシュ」は、意外となかったデジタルの世界観、意外となかった3Dアニメ表現、設定をうまく使ったグッとくる意外なラストなど、とてもよくできていた。時間があったら是非見るべき映画である。
が、シュガーラッシュの面白いのは「一作目よりも二作目の方が面白い」という珍しいパターンなところだ。一作目で作られた世界観、キャラクターを、文字通りインターネットに接続することで爆発的に拡大させている。世界や面白さが100倍ぐらいに広がっていて、まさに、まるで初めてインターネットに接続した時の無限のワクワクを思い出させてくれる。この懐かしいワクワク感を味わうだけでも、絶対に損をしない大傑作である。
一作目よりも二作目の方が面白いと言えば、パッと思いつくのはエイリアンやターミネーター、ダークナイト、キャプテンアメリカぐらいなもので、大抵は続編にグッと予算がついたことでパワーアップする印象。本作も確かに予算は上がっているのかもしれないが、アニメでこういうことがあるのは珍しいのではないか。
さらに珍しいのは、邦題に厳しい私としては一作目の時は「シュガーラッシュ」よりも原題「Wreck-It Ralph」の方がいいではないかと思ったが(「ぶっ壊せ!ラルフ」「あるいは壊し屋ラルフ」というタイトルではヒットしなさそう、という気持ちはわかるが……)。二作目の「シュガーラッシュオンライン」は、原題「Ralph Breaks the Internet」よりも優れているような気がするところだ。こんなことって、なかなかないと思う。