「心かき乱されるのは確かだが」生きてるだけで、愛。 AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
心かき乱されるのは確かだが
いわゆるメンヘラ的なキャラクターを主人公に据えたドラマだが、リアルに精神の問題を抱えた家族がいる、あるいはそうした人と付き合いがある/あった観客(私自身も該当する)にとってはつらい鑑賞体験になるかも。健常者との差異を言う意図はまったくないが、一般の観客を楽しませつつそうした障害を表現する手法がほかにあったのではないか、と思われてならない。
趣里が二世女優という恵まれた境遇に甘んじることなく渾身の演技を見せた点は高く評価するが、キャラクター自体には魅力を感じない。仲里依紗が演じた美人なのに痛いキャラは、ストレスフルな全体において貴重なコミックリリーフとなっていた。CMやMVで実績のある関根光才監督はこれが長編劇映画デビュー作だそうで、映像の見せ方はなるほど上手いが、映画的な語り口という面では発展途上のように思える。今後に期待。
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