カツベン!のレビュー・感想・評価
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活動弁士
ストーリーは大正4年から始まる。
私達の大好きな映画がまだ「活動写真」と呼ばれ、無声映画だったころ。
大衆の娯楽だった活動写真は、映像だけではなく、その映像に合わせてセリフやナレーションや物語の説明をしていく"活動弁士"という人達がいて観客を楽しませていた。
今の世にも、言葉を生業にする職業がたくさんある。
パッと思いつくところでアナウンサー、ラジオDJ、漫才師などなど。どの職業も、やはりセンスがある人が魅力的で、話の内容も面白い。
この活弁という仕事も、センスがモノを言う。
成田凌くん演じる國定。
人の物真似だけかと思いきや、自身のセンスが良いおかげであっという間に人気者。國定以外の活弁も、それはそれは皆さん魅力的でしたね。相当練習を積んだようですが、なかなか、あの喋りを現代人にやれといっても簡単にできるとは思えません。高良健吾さんの茂木のちょっと調子に乗った曲者活弁も、永瀬正敏さんの山岡も、それぞれに味のある熱演ぶりでした。
成田凌くん、痩せてておしゃれで、優男〜って思ってたけど、本作品で印象が変わりました。とっても骨太‼️この役はどうやって決まったのか❓オーディション?なになに?
きっとこの役やりたかったー!!って俳優さん他にもたくさんいそう。
周防監督の作品はまだあまり見たことが無いのですが、この作品を見る限り、映画が好きでたまらないのが伝わります。それから、キャストの選び方も好きです。
竹野内くんが舌を巻きながら喋る刑事なんて最高でした。その他、脇を固める俳優陣の素晴らしいこと。
キャストもストーリーもテンポもとても良かったですね。
大正時代の日本という島国に、日本独自のエンタメを楽しむ手法があったということに驚き、そして嬉しく思います。またいつか、生でカツベンを見てみたいと願ってしまいます。
カツベン!だけにあらず。
一言「周防監督らしいコメディだなあ」
カツベン=活動弁護士。
無声映画の話ってどうよ?と思い、半信半疑で見始めました。
◎よかった点◎
・写真(以下映画と同じ意味)が大好きだった少年が、その夢を叶えていく所。
ただその道がグネグネ曲がっている様子や、関わる人間模様が愉快。
潜り込んだ劇場での、カツベン仲間との競い合いもなるほど。
個人的には、高良健吾さんの「いやーな奴」役がgood。
・カツベンといっても、今で言うナレーションが多めの映画・公開アフレコ風。
女性の声を男性が演じたり。こう言う活動だったんだなあと改めて認識。
・映画の中に映画がある設定。どれも知らない古い映画だなあ、と気に留めてなかったけど。
エンドロールの出演者名で「あれ、この人どこに出てた?」って人が何人もいて。
後から古い映画を今の役者さんで撮り直して、作品中で使っているとわかり。
凝ってるわー(草刈民代さんだけは、観ながらわかりました)。
・終わり方も「そうくるか!」の意外性があって👍。
△いまいちな点△
・なし。
こちらもざっくり観れて楽しい、ポップコーン映画でした(食べてないけど)。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「いい写真が客を呼ぶんじゃない、俺の説明に客がつくんだ」
幸せの味は…
キャラメルの味。子供の頃の思い出は結構ずっと残っているもの。活動弁士というのをこの映画で初めて知った。サイレント映画に合わせて、劇場で解説、その人の説明によって、物語の味付けどころか、内容までも変わり、魅力的にできるかが腕の見せ所。ドタバタ劇だけど、全体的にほのぼのしており、安心して見ていられる。周防作品の常連、竹中直人はやっぱり青木さんで出てくるし、役者陣が皆素晴らしい。もっと渡辺えりとの掛け合いが見たかったし、永瀬正敏の活躍も見たかった。ラストは警察が逃してくれると思ったけど、やっぱり服役したんだな。これから松子ともどうなるのだろうと期待を抱かせる終わり方でほっこりした。活動弁士の解説で映画を見たくなった。
声優の生アテレコって感じ?
当時は日本だけにしかなかった映画の観賞方法だったそうな。
サイレント映画も観たことないし、弁士の語りも聞いた事ないけど、なぜ海外では、やらなかったのか不思議なくらい自然な発想だけどなぁ?
エンドロールでこの人何処に出てたかなぁ?て人がいてびっくり!劇中劇の役者だったのかな?もう一度観て確認するべきか…迷う
こんな映画もいいですね
やっと見られた
脚本が光る。
とても面白かった。
キャラクターが生き生きしてたし、
演じている役者も楽しそうだった。
観ていてこちらもウキウキしたし、キャラが登場する度に、
「よっ!何々!」と叫びたくなった。
キャスティングも良かったけど、一番は脚本。
ただ俳優の面白さだけでなく脚本が面白かった。
憧れの人が酒飲みで現れる、
その人はカツベンの未来を見てる。
幼なじみの女の子が女優になって現れて、
喉を潰してカツベンが出来ない主人公と一緒に喋る。
その内容が2人の人生とリンクしている…
他にも王道だけどグッとくるところがたくさんあった。
永瀬正敏の警察の声色で喋る所は痺れた。
憎たらしい高良健吾も良かったけど、
成田凌は素晴らしい。
表情も素晴らしいし愛敬がある。
主役然として来た気がする。
どんどん良い俳優になって来てると思う。
これからどんな俳優さんになるか楽しみです。
カツベンって、日本だけの存在だったんですかねぇ
おそらくは、周防監督の言いたかったこと。
映画は、映像が主人公ではない。むしろストーリーこそが映画の命なんですよという主張だったのだろうと思います。
そのテーマに沿って、ドタバタ喜劇仕立てで作られた作品でした。
無声映画の撮影現場で、登場人物たちが実際に口にしていた珍セリフには驚きましたし、ははぁ、そういう仕組みだったのかと、初めて知って、これはひとつ、驚きでした。
しかしながら、子役たちが下手っピすぎ。
演技と言える水準には遥かに遠く、セリフをなんとか間違えずに言えて良かったレベルの子役たちで、激しくガッカリしたのが事実です。
このため話の前半分にはぜんぜん乗れず、成田サンがお話の中ほどで登場するあたりまで、正直言って星ひとつレベルのつまらなさでした。
成田サンが登場してから、ようやく話は面白くなってくるのですが、それは観てのお楽しみということて。
この映画の中で、日本ではトーキーが始まる以前でも、純粋な意味での無声映画の時代はなかった……という主張が述べられています。
つまり、日本では、無声映画が上映されていても、当てでセリフを演じる活弁という存在がいたからだ、という主張。
これも映画はストーリーこそが命なのだという監督の主張に重なりますが、カツベンって、日本だけの存在だったんですかねぇ。
この点、興味深いテーマですね。
スッと入ってくる周防監督のコメディ。さすが。
今の映画は芸術的な意識が強すぎて、映画を見ることは非常に楽しいのだけれど、体の中からそう思っているかといえばそうではない映画が多い中で、周防監督のコメディ映画はスッと頭に入り、映画の中に入り込めるような感覚が心地よいが、この映画は実際に映画の中でそれを表現してしまっていて非常に面白かった。
活動弁士の滑稽な人生を描くとともに、子供の頃に映画に憧れた子供たちが問題を抱えながら夢を追うストーリーは、テンポも良く、演者の表情も全力で人生を生きる感じが伝わってくるし、散りばめられるユーモアがまたくすっと笑いを誘って終始飽きずにみることができた。
映画は、客を喜ばせるのはもちろんだが、客と一緒に盛り上がることも大切なのだ。今の映画はそれがないので、少し寂しいけれど、久々にそれを少し感じ取れたかなと思う。
薄い味付け
いろいろなオマージュに溢れているマニアックな映画
サイレント映画の活弁士を描くならドタバタが定番?
ニューシネマパラダイス的な感動ノスタルジー作品と思うとドタバタ喜劇だか、結構ゆるい。
今回は周防監督と長年の組んでいた助監督の片島章三が脚本と監督補にクレジットされていて、結構な部分を担当しているのでは?推測している。
ちなみに過去の周防監督作品は全て本人が監督脚本。
残念ながら微妙な予告編の印象そのままだったので、正直言ってちょっと残念。
良い点は、主役の成田凌と永瀬正敏の活弁士ぶりと声の使い分けが結構巧みで、以外にも竹野内豊の三枚目でドタバタを身体を張ってやっているところ。
酒に溺れて落ちぶれた永瀬正敏の役割をもう少し生かしたらもっと良かったと思う・・
ヒロインの黒島結菜も大正時代の衣装も似合いとても美しい。
劇中で上映される劇中映画も全て現在の俳優を使って撮影して作るなど中々手間をかけているので、映画愛には溢れている。
この手のギャグやコメディの日本映画を見ていつも疑問に思うのだが、もう少し笑いの部分をブラッシュアップ出来ないのか?と思う。
ギャグなどのお笑い部分をプロの芸人や作家に作ってもらって、そこから選択して取り入れればいいと思いのに。コントなどは、基本的に作りこむ物が多いはず。
今の日本人は、お笑いに対しては、目が肥えているはずだから。
良作な作品を監督している方だか、ちょっと引っかかるのは、「シコふんじゃった」までは、110分以内の上映作品だったが、近年の作品は全て上映時間長い。今作も127分あるので、それがダレと感じる。
でも楽しめます。
映画のオリジンの楽しさ溢れる愛すべき日本映画
片島章三が20年温めた企画、活動写真上映における日本的なエンターテインメントの歴史を探る映画愛の結晶体。練りに練った起承転結の鮮やかなストーリーと、キャラメル・蜘蛛・映画技師の宝缶など小道具の活かし方、そして追っかけ・探し物・格闘のドタバタコメディのルーティンの安定感。個性派俳優たちの適材適所のキャスティングの贅沢さも期待を裏切らない。子役たちの演技含め周防監督の丁寧な演出が何より観ていて心地良い。1915年から1925年の大正時代の背景造りも手抜かりなく、当時のサイレント映画の再現も大変興味深い。ヒロインが好きな映画が1911年のフランス映画で、怪盗の犯罪をふてぶてしく描いて社会問題となる「ジゴマ」とは!彼女の芯の強さを窺わせる設定になっている。100年の歴史で、サイレントからトーキー、カラーとワイド、そしてフィルムからデジタルと変遷している映画のオリジンの楽しさと可笑しさ溢れる、愛すべき日本映画。
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