「映画の原点の歴史を雰囲気で楽しめる作品です。」カツベン! マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
映画の原点の歴史を雰囲気で楽しめる作品です。
昨年から観よう観ようと思ってたけど、なかなかタイミングが合わずに観れなかったのですが、年が明けて、やっと鑑賞出来ました。
で、感想はと言うと面白いのに…惜しい!
結構期待してたのでちょっと惜しいんですよね。
映画がまだ今の様な体を成してないサイレント時代に活躍した活動弁士を話を描いていて、ノスタルジックかつコメディチックに描いています。
何よりもとても映画愛に溢れていて、外国から来たまだ見ぬ異文化の芸術に誰もが夢中になった良い時代を丹念に描いています。
映画をテーマにした「ニュー・シネマ・パラダイス」や「今夜、ロマンス劇場で」「世界一と言われた映画館」を思い出しました。
目玉のまっちゃんこと尾上松之助さん、怪盗ジゴマと言った映画の歴史を紐解いていけば耳にする名前が挙がるだけで楽しい♪
今や少なくなった古き単館映画館の様子を見るのも面白いし、映写機や映写技師の苦労話を聞くの好き♪
映画好きがほんわかする好きな部分が一杯です♪
その中で活動弁士の話はやっぱり興味深いです。
今の声優の礎であり、歌舞伎や文楽の世界の流れから成り立った活動弁士の歴史はもっと世に知られてもよい業績を残したかと思うし、約半世紀近くの活動は日本の映画史を語る上では欠かせない重要な役割り。
現在でも活動弁士として活動されている方が若干おられますが、職業としては成立してるとは言い難い。
だけど、その技術の高さは台本を読む事以上にアドリブ力が試される。
成田凌さんや高良健吾さんがまさしく立板に水の如く、台詞を流れる様に連発され、生で見た事がなくても、活動弁士っぽいなぁとしみじみ思いましたw
だからこそ、惜しい!
全体的に良くまとまっているのにやっぱり惜しいのは全体的に無難にまとめ過ぎた感があるのと、細かい所の描写が薄い。
成田凌さん演じる染谷(国定)が弁士になるきっかけとなった憧れの山岡秋声が青木館に在籍してからは飲んだくれて、弁士として殆ど活躍せず。
ラストで染谷憧れの山岡秋声の弁士としての見せ場も無く、客が少ない青木館に愛想を尽かせての飲んだくれかとは思うけど、あまり理由もはっきりしてない。とか
高良健吾さん演じる茂木がいつのまにか青木館からタチバナ館に移ってるし。とか
染谷と梅子(松子)との恋愛もなんか中途半端だし、タチバナ館のオーナーの一人娘の琴江もいつの間にか茂木から染谷に鞍替えしてるし。とか
ラストのドタドタもなんか古い感じではあるし、敢えてそれを入れる必要があるのかな?と思うし、入れる事でチープに感じるんですよね。
細かい事を言い出したら切りがないけど、それでも気になる所はやっぱり気になって、良い所が少し曇る感じになるんですよね~
ノスタルジックな雰囲気を醸し出した作品だからこそ、その雰囲気を楽しむとしてと、いろんな部分がアンニュイではちと困りもんではありますが、雰囲気を楽しむと言う事では心地好いんですよね♪
モノクロ映画やサイレント映画を観たくなります♪
最盛期は全国で映画館が7,500館近くあったのも減少していき、一時期は2,000館を下回った時期もあったけど、現在は3,500スクリーン。上映数は盛り返してますが、映画館の数は全国で約600。やはり映画館自体の数は減少の一途を辿るばかり。
※追記
当初、映画館数を3,500と明記しましたが、正確には全国のスクリーン数が3,500になります。
一映画館で複数スクリーンを有する、所謂シネコンは10スクリーンを有した場合は10と計算されます。
現在は映画館と言う建物で計算した場合は全国で約600近くが存在してます。
ちなみにシネコンが全体の9割を占めており、単館系の映画館は残り1割で全国で約60館しかない事になりますが、都道府県によっては単館系映画館が存在しない地域も在ります。
訂正をさせて頂きましたが誤解を招く書き方をして申し訳ございません。
先日は有楽町の名門映画館「スバル座」も閉館し、好きな映画館が少なくなるのは寂しい。
勿論、映画館が増えていったお陰は様々なシネコンが出来てきたからであって、シネコンはシネコンでとても便利だし良く利用してます。
最近では小さな映画館でもいろんな趣向を凝らしていて、映画熱は上がって来てるし頑張ってると思う。
だからこそ、映画好きな映画人なら少しでも劇場に足を運んで観に行くのがせめてもの努めかとw
今の映像と音響の極致とは対極は当たり前ですが、古き良き時代の映画が至高の娯楽とされていた時代の思い出の様な作品で映画と言う文化が大切に感じられるし、それに触れられる作品ではあります。
そんな事を感じさせてくれる素敵な映画だからこそ、惜しいのは惜しいんですが、キャラメル程ではないけどw、後味の引く雰囲気は楽しめますよ♪
CBさん
コメントありがとうございます。
先ほど追記として訂正させて頂きましたが、最盛期には7,500の映画館が存在しましたが、現在は正確には全国のスクリーン数が3,500になりますで映画館は約600近くになります。
最盛期にはシネコンと言う概念が無かったので、映画館の数は圧倒的少なく、単館系の映画館数は最盛期と比べると約100分の1になる事を考えるとやっぱり寂しいです。
誤解を招く書き方をして申し訳ありません。
今後は気をつけて参ります。
また、お時間がありましたら、覗きに来て下さいね。