海の底からモナムールのレビュー・感想・評価
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【”愛されたいの・・、と10年前と同じ制服姿でミユキはあの島の海岸で、僕に言った・・” 幻想優美な、愛する人を忘れられない若き女性の幽霊譚。真綿で首をゆっくり絞められるような映画です。】
■感想<Caution‼ 内容に思いっきり、触れています。> ・物語の構成はシンプルである。 高校生時代、地味だった女子高生ミユキ(清水くるみ)が想いを寄せていたタクマ(桐山蓮)に想いを告げるも、想いは伝わらず、同級生達に揶揄われ、島の崖から身を投げる。 10年後の夏、タクマと同級生だったマツ(前野朋哉)は二人の彼女、カオリ(三津谷葉子)とトモヨ(杉野希妃:又、映画作ってくれませんか?)を連れ、島に戻り、”あの海岸”でキャンプをするが・・。 ・ミユキを且つて苛めた同級生のリカは、”あの海で"溺死し、タクマの恋人、カオリも夜な夜なミユキに生き血を吸われ、弱って行く・・。 ー ストローで鼻から血を吸われるのは、嫌だなあ・・。ー ・且つて、ミユキを苛めていた事をタクマに告白するマツも・・。 ◆今作は、アメリカの多くのホラー映画のような、スプラッター映画ではない。 ミユキの姿は、10年前の高校生の制服姿のままであるのだが、じわりじわりと恐怖が忍び寄って来る・・。 フランス人のロラン・ジル監督は、小泉八雲の「怪談」をイメージしていたのではないか・・。 <幻想優美な、哀しき女子高生の、愛する人を忘れられない幽霊譚。> <2021年3月28日 刈谷日劇にて鑑賞>
美少女幽霊のダーティプレイ。
劇場で見終わったあと、ほとんどのお客さんが『ふざけんなよ、こんなの』っていう風に立ち去っていったのを覚えている。 けど、意外とこの映画いいとこあって、そもそもフランス人監督が作って撮っている以上、これ『フランス映画』なんですよ。 なので、フランス映画として観る分にはまったく問題なし。 確かに『理不尽過ぎる展開』『拗らせ女子の逆襲』とか色々言いたくもなるけど、『恋愛』という観点からすれば、現実でもフィクションでも同じ、なんでもアリ。この世界で『理不尽恋愛強奪劇』はなんの悪いことをしていない。 そういう視点で観れば、多少突きたくなるような設定や演出も終わったあとは爽やか、むしろ気持ちいいくらい。 もっと色んな人に観て貰うべし、こうなったらなんでもあり! さすが恋愛大国フランス、愛の為ならダーティプレイも厭わず!! 面白かったです。 少し遅れての高評価でした。
鼻血は莓の代用品になりますか?
海の底で「愛されたい」と彷徨っている、瀬戸内海のとある離島で崖から身を投げ自殺した女子校生の霊と、そこを訪れた島出身の同級生2人とその彼女達の話。 バカンスでやって来た島には10年前に実装した少女を捜す貼り紙多数。最近同級生の女性が溺死したり、近付くなと島民が警告する中、その浜で4人がキャンプを始めて巻き起こっていくストーリー。 ホラーといってもおどろおどろしい感じはなく、少女の霊はありきで、10年前に何があったのかを小出しに語っていく展開で、サスペンス的要素もあってストーリーに入り込みやすい。 その中で、少しずつ追い詰められて行く4人という流れはなかなか良い感じだったけど、マツが出会ってからのそれぞれのリアクションが???4人中3人もがみているのに、話が噛み合わないし彼女は急に駄々捏ねて残りたがるし、主人公も幽霊を信じているのかいないのかブレ捲り。 ミユキにしても、えっ!?浜から出れちゃうしそんなこと出来ちゃうの!? どうみても愛されたいだけでもないしね。 悲しく寂しく切なくて、同情や共感を呼ぶ部分もあるストーリー自体は面白かったし、そこに拘るところじゃないかも知れないけれど、色々都合良いというか辻褄が合わないというか。 もう少し練ってくれたらという感じ。 それにしても、スプーンストローへの執着が凄いね。
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