「父を、そして母を思わずにはいられない」こはく エロくそチキンさんの映画レビュー(感想・評価)
父を、そして母を思わずにはいられない
長崎を舞台に井浦新と大橋彰(アキラ100%)が兄弟を演じた。
弟の亮太(井浦)が5歳のとき、必ず迎えにくると言って家を出た父は、35歳となった今も帰ることはなかった。町で見かけた父を一緒に探そうという兄の章一(大橋)の誘いをきっかけに、二人は父の足跡を追うこととなる。
亮太が自身を父に、そして妻を母に重ね合わせて両親の心情を思う映像が秀逸。妻を演じた遠藤久美子の優しさ、柔らかさも記憶に留めたい。
若い時に覚えた親に対する憎悪や嫌悪は時間とともに曖昧になり、更には自らの罪にすり替わる。そんなことをイメージしたことがある大人たちには結構染みる作品だろう。
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