ディープ・インパクト2018のレビュー・感想・評価
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インチキ邦題だが中身は上出来
劇場未公開、原題はDestruction Los Angeles(LA壊滅)でデープ・インパクト2018はDVDメーカーが勝手につけたヒット作への便乗でしょう。(蛇足ながら劇中に馬が登場しますが勿論あの名馬とは一切かかわりありません)
ハリウッドの丘の彼方から突然の噴煙、隕石ならぬ火山弾が雨あられと降ってきます、ついには溶岩流も街を覆い、まさにLA壊滅です。惨劇のさわりを見せておいてから4時間前に巻き戻し、前兆の事件や家族のアウトラインを説明、元の時間に戻ったところから本当の惨劇が始まる工夫は面白いですね。
人物像はよくある離婚まじかの中年夫婦と一男一女、パパはテレビ局の人気レポーター、それにリッチな黒人ミュージシャンに嫁いだ妻の姉と息子が絡みます。外出先の異なる家族がやっと合流も束の間、真っ赤な溶岩流が行く手を阻みます。ストーリーは変わり映えしませんが地球滅亡の大風呂敷の割にはLA界隈のヘンテコファミリー避難劇だった「エンド・オブ・アース 地球最期の日」よりは小じんまりしている分、数段ましです。
パパがレポーターの設定ということもあり、出来事は惨劇のほぼ一日を投稿映像もどきのショットも取り入れドキュメンタリータッチでカメラが追いますので今風で馴染みます。 LAを溶岩が襲った元祖トミー・リー・ジョーンズの「ボルケーノ」から12年、CGも今ではこなれており低予算でも見劣りはいたしません。目の前に火の球が落下してくるあおり映像はリアルに怖くて身がすくみます。
エピソードで暴徒の略奪は定番、緊急事態では医療の心得のある身内は心強い、バイブリストなる馬に乗る変な宗教団体のような人が出てきました、昔、西海岸に行った頃は変な宗教信者が蔓延っていたものでしたが今でも似たような人たちがいるのでしょうかね。くすぐりが分からないのはもどかしいところです。
お父さんの覚悟にほろっと来たところで1年後のシーンは蛇足の極みと申し上げましょう。
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