セルジオ&セルゲイ 宇宙からハロー!のレビュー・感想・評価
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「無線の先からハッピー!」
ある日、自分の国が無くなる。そんな事、誰が考えるだろう。
少なくとも、大多数の日本人が、日本は明日も明後日も、もっと何年も先も、日本として存在することを疑っていないように思う。
「セルジオ&セルゲイ」の一方の主人公、セルゲイだって、多分同じだ。
人間を宇宙に送り込む、そんな最先端の科学力を有する自分の国が、崩壊するなんて考えたことがあるだろうか?
ソビエト連邦の崩壊は、世界地図を大きく塗り替える大事件だった。当事者であるロシアや、近隣である東欧の混乱と変化は何度も目にしたし、想像も出来たが、キューバに与えた影響までは考えたことがなかった。
そんな混乱期のキューバに暮らす「旧価値観のエリート」セルジオがこの作品のもう一方の主人公である。
国家の崩壊、という思いがけない出来事が、セルゲイとセルジオの人生に大きな混乱をもたらしていることは明白で、「こんなこと、度々あるとは思えない」という思いと、「アメリカが急速に力を失えば、日本だって同じことが起こるかもしれない」という思いが交錯する。
激動の波に晒されるとき、それでも個人と個人の繋がりは自由だ。アマチュア無線を通して繋がっているセルジオ・セルゲイ・そしてアメリカのピーターは、立場や過去は重ならなくても、「無線」という趣味を通して「我々は仲間だ」という同一視の視点を持っている。
いろんな事が違うけど、オレたち好きなことは一緒だよね、という連帯感は私たちが思っているより重要だ。
ソ連崩壊の過程、キューバ独立の歴史、アメリカへの移民という過去は、彼らの存在を構築する大事な要素だ。人は過去によって創られる。
しかし、未来は自分の意志によって創られていく。自分を創ってきたもの、その祝福と呪いをどう選択するかは、すべて自分次第だ。
その時自分を導くものが、「好きなこと」であるというのがこの映画が最高にハッピーな理由。
「宇宙からハロー!」、なんていうのんきな副題がつけられているが、そんな副題をつけたくなるほどこの映画はハッピーに見える。
先も見えない毎日で、苦しいことも多いけど、でも「好きなこと」が人と人とを繋げて、励まし合い、歩み寄り、誰かが誰かの助けになる。
ポジティブな未来を創ろう、という意志がポジティブな未来へと繋がっていくハッピーな映画に、ハッピーな気持ちを貰える素敵な映画。
こういう映画を、いつも見ていたい
一言「心に優しい」
◎よかった点◎
・設定が面白い。「ロシア語が話せるキューバ人」と、「キューバ語がちょい話せるソ連人(@宇宙ステーション)」。
は?と思いながらも、アマチュア無線で偶然知り合った二人+同じく無線仲間のアメリカ人。
そこに社会主義崩壊の国々の、引きこもごも。いい感じで組み合わせっていくストーリー。
・「3国が無線って、良からぬことを企んでいるのでは?」と、無線傍受して探りを入れる組織。
ちょっとだけヒール役でもあり、時々クスリくる役目っていうのも愉快。
・ポスターの印象とはちょっと違うな思ったけど。
ちゃんと意味があったんだな。うふふ。
・アクションも大号泣もなく、淡々とはしているけど。
93分と短く気軽に見れる「ポップコーン映画」に認定したい。
映画は楽しく見なくちゃ。
冒頭で「実際の出来事をもとにした、架空の話」とあって。
ま、ググればどこまでがリアルなのかわかると思うけど。
この「心の爽やかな風」を大切にしたいから、やめとこっと。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「無線愛好家に出身は関係ないな」byアメリカ人
宇宙ステーション「ミール」
1991年、社会主義崩壊によりソビエト連邦が解体、ソ連の宇宙船ミールに飛行士が一人取り残される。
キューバはソ連からの援助が途絶え極貧状態になる。
そんな状況で宇宙飛行士とキューバの無線愛好家がつながり・・・。
当時のことは覚えているが、深刻な状況を面白おかしく描いており、笑いながら名懐かしむことに。
奇想天外なワンダフル・”宇宙”コメディの小品
最初に記載するが、出てくる宇宙ステーション及び宇宙服は普通の作品であればブーイングが出るほど、笑っちゃうくらいチープである。
でも、実話ベースである。
スペイン・キューバ作品である。寛容な気持ちでご鑑賞を。
無線好きなキューバの大学教授セルジオがある日、傍受した無線とは、ソ連の宇宙飛行士が発したモノ。
が、そのソ連も崩壊し、(国家及び予算の関係上、帰りたいのに帰れない宇宙飛行士) セルゲイとの間に無線を通して徐々に築かれる友情。
何度も記載するが、チープな部分は気にせず、当時の両国の関係を頭のやや片隅におきつつ、気軽に観たい作品。
<2019年1月3日 旅先のミニシアターでたった二人で鑑賞した作品。正月三が日から何やってんだ俺 と思いながら、そのまま祇園に呑みに行った。>
ロン・パールマンが渋い
ソ連の宇宙飛行士セルゲイは宇宙ステーション滞在中にソ連崩壊、国内の混乱から帰還を延期されてしまう。モスクワに留学経験のあるハバナ在住の大学教授セルヒオは趣味のアマチュア無線で偶然セルゲイからの無線を受信、交信を続けるうちに友情を深めるが冷戦終結は2人の祖国を翻弄し、2人はそれぞれ窮地に立たされることになる。ポスタービジュアルが明るくてポップなので勝手にドタバタコメディを想像してましたがコメディ要素はほぼ皆無。祖国が混乱する中で自分ではどうしようもない運命に振り回されながらそれでも現実と向き合って逞しく生きる2人が無線で心を通わせる様を優しく見つめるドラマ。ハバナの街とそこで生きる人達を宇宙ステーションから俯瞰しているかのようなカットが要所要所に挿入されますが、その陽光に照らされた風景がものすごく美しいです。
ただ残念なのはこの物語をセルヒオの娘のモノローグでなぞるという『しあわせのパン』方式を採用していること。『しあわせ〜』ほどのちゃぶ台返しはもちろんありませんが、特に必然性のないアクセントはちょっと余計だったかも。ロン・パールマンの渋い演技も素晴らしかったです。
宇宙とキューバをつなぐ友情コメディ。
ソ連の崩壊で、失業寸前のキューバ人大学教授と帰る祖国が消滅したロシア人宇宙飛行士が無線を通じて仲良くなるという設定が愉快です。でも、お話しのさばき方がイマイチなので、素材の良さが充分に生かされていないのが残念。悲惨なお話しなのにミョーに明るくのんびりしているのは、キューバのお国柄なのかな?
世界は回り続ける
ソ連はなくなり、東西ドイツも1つになり、キューバはこどくな道を進むことになる。
ソ連からの援助がなくなって、経済危機に陥ったキューバ。でもあまり暗くも深刻そうでもなく、おばあちゃんや彫刻家の女子学生は淡々としている。
顔も知らない人たちが無線で繋がり助け合うというテーマが良かった。
キューバの役人への風刺も効いていた。
コメディ?
思ってた映画と違ったけど、ちょっぴりクスッと笑える映画。当時の歴史背景とかキューバの歴史とかを知ってから見ると理解が深まってより楽しめたかもと思いつつ。所々入るラテンのBGMがコメディー感を出してくれました
スマホ
1991年にソビエトとキューバの人間が、宇宙を介して繋がっていたのが、現代のスマホを示唆しているみたいで面白かったです。友達になれるのは身近にいる人だけじゃなくてどこにいてもなれる現代。どこの国の人とも繋がれる事は素晴らしい事なんですね。フィルムが可愛かったです。
ややコメディややドラマややSFややファンタジー
実話も絡んでいるという割に、どことなくファンタジックなものを強く感じた。
コメディ的な要素が結構多いけれど、大笑いさせようという意図ではなく、ほのぼのとさせる効果を狙っているような気がした。
映像と音楽が予想以上に良くて、ストーリー関係なく楽しめた。
米ソの宇宙競争をキューバを舞台に描いているというところが、何気に斬新で面白いなぁと思った。
タイトルなし
温かい! ストーリーは勿論 カメラも
そして、キューバの街並みも
キューバに行って見たくなる
きっとこの国には「ノスタルジア」が今も生きているはず
この監督の他の作品ももっと観てみたくなった。
音楽もいい音で録れている。
合わなかった
映画の中盤から常にうとうとしてしまい、字幕を追えていない箇所がいくつもあったので、正直、レビューを書いていいものかと悩みましたが、とりあえず観には行ったので書くことにしました。
とはいえ、あまり内容も覚えていませんし、惹かれるシーンもなかったように感じます。なんとなく、作品の雰囲気が、ウディ・アレン監督作に似ているな、と思ったくらいです。
実話をもとに映画化、ということなので、当時のキューバやらソ連やらの内情を知っていればおもしろく感じたのかもしれません。
無学な自分には合わない映画でした。
めっちゃ面白い‼︎
冷戦期の大国米露と小国キューバとの関係やキューバ国内の官僚主義、グローバルに金を出すのはアノ会社・商品・・・風刺も効いているけど、そんなことを度外視しても、面白い。何度も声を出して笑った。
じわーっと染み込んでくるあの時代
あの時代に何かを思って生きていた人達には、じんわりグッとくる物語。東側(共産圏)からの視点でこの時代を眺めてみると、なんだか不思議なものが込み上げて来たり、こなかったり(苦笑)。
知らなくても、最後には何だかほっこり出来る作品ですが、時代背景や元ネタをちょっと調べとくと、より味わい深いのかもしれませんね。娘っ子の最後のナレーションに、少しだけ落涙。
コメディだと知らずに見てました
キューバの大学教授セルジオ(トマス・カオ)は無線機仲間であるアメリカ人ピーター(ロン・パールマン)とは無線機仲間。モールス信号しか打てなかったセルジオだったが、アマチュア無線機をもらい、ようやく彼の留学経験を生かして3ヵ国語を駆使することになる。ひょんなことから宇宙ステーションの飛行士セルゲイ(ヘクター・ノア)と交信することになったのも、セルジオがモスクワに留学したことがあったからだ。
3ヵ国語が飛び交う中でも、レーニン主義信奉者のセルジオはピーターと深刻な話をもする。実はピーターはポーランド出身のユダヤ人であり、両親が政府によって殺された経緯があったのだ。それもヒトラーやナチスではなく、スターリンの粛清によって・・・。これをセルジオに告白するシーンがとても心に響いた。
キューバの貧困ぶりも描かれていたけど、やはり陽気な国というイメージ通り、「また働きに出るわ」などと結構前向きな国民性。
ソ連が崩壊したことによって、宇宙ステーションに一人取り残されていたセルゲイの救出作戦も無期限延期となり、ソーラーパネルに隕石はぶつかってくるし、大ピンチ。ここからどうやって助けるのだろうか!48時間てのは無理だろう!マット・デイモンなんて1年半かかったんだぞ!と、思ってはみたものの、やはり実話ベースだし、ゆるい展開なので安心して観れました。
冒頭の衛星画像とかラスト空中に浮いたりするのはgood♪
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