劇場公開日 2018年7月28日

  • 予告編を見る

「当時の緊迫感を感じました」ヒトラーを欺いた黄色い星 勝手な評論家さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0当時の緊迫感を感じました

2018年7月29日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

知的

難しい

事実に基づく作品。

1943年6月19日、ナチスドイツの宣伝相ゲッペルスは「ベルリンからユダヤ人を一掃した」と宣言したが、実は生き残っていた約7000人ものユダヤ人の生きるための戦いを、4人の視点で描いたドキュメント作品。

ナチスに積極的に抵抗したレジスタンスの姿を描いた作品は、数多ありますが、息をひそめて生き延びようとしたユダヤ人を描いた作品は、数少ないのではないでしょうか?“アンネの日記”くらいしか思いつきません。ただ、“アンネの日記”の場合は、結局、アンネは捕まってしまう訳ですが、この作品に出ていた4人は、最後まで生き延びています。全体で生き延びたのは1500人ほどと言われているので、元々残っていたと言われる7000人に対しての生存率は21%ほどだったようです。それが高いのか、低いのかはわかりません。

興味深かったのは、ユダヤ人を守ろうとしたドイツ人も少なからずいた事。ユダヤ人を守ったドイツ人と言う事では、『シンドラーのリスト』のオスカー・シンドラーが有名ですが、それ以外にの街中の人にも、そう言う人が居たんですね。また、そういう人物の中の一人に、ドイツ軍将校が居たのも興味深かったです。

ナチスへの蜂起があるとか、どういうドラマティックな事はありませんが、逆にそういう静かな潜伏が、生き延びた彼らのおかれていた緊迫した状況をよく伝えています。

コメントする
勝手な評論家