「全体主義のパーツは「普通の市民」」ゲッベルスと私 マユキさんの映画レビュー(感想・評価)
全体主義のパーツは「普通の市民」
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ナチスの宣伝相、ヨーゼフ・ゲッベルスの秘書を務めたブルンヒルデ・ポムゼルは、「割のいい仕事」を求めて就いただけの、普通の市民だ。彼女が語る通り、ゲッベルスは洗練された穏やかな紳士だったのだろうし、ホロコーストについては何も知らなかったのかもしれないし、現代のドイツ人があの時代に生きても、やはり体制から逃れることはできなかったかもしれない。
彼女は語る。「現代のひとは、『自分なら抵抗できた』と言う。でも無理よ。抵抗なんてできない。もしやるなら、命がけだもの」。そう、ヒトラーの言葉に酔ってナチス政権を支えた多くのドイツ国民は、抗えなかった。「凡庸な悪」はまさしく当たり前のように、私たちの周囲を這いずっている。
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