「普通のおばあさんの普通でない怖さと正直さ」ゲッベルスと私 Fifiさんの映画レビュー(感想・評価)
普通のおばあさんの普通でない怖さと正直さ
衝撃 とか 人生が変わる って項目も「印象」チェック欄につけてほしいなとおもいました。単純 って項目、いらないわ。そういう気になる映画です。すごいわ。
最初はほとんど眠りそうになりました。静かでモノトーンな、音楽とか演出もない、すごいシワシワのおばあちゃんのインタビューと、当時のオリジナル未発表ドキュメンタリー映像が、淡々と。だけどね、このおばあさん、すごい普通なんですよ。尋常じゃなく普通。時代の思想や政治の力には抗えない、しかたなかった、みんなそうでしょ、っていうの。そんなこといえないようなことに。しかもとんでもない運命を生きるの。
生き抜いて(これはネタバレじゃないよね、広告にも書いてるから)103歳で、この客観性、記憶力。いや、普通じゃないよ、この普通さ。なんかもっと、見ないふりとかしそうになるとおもう、ほとんどの人は。いまの日本のこの現状に、自分はどういう態度で向かうべきなんだろう、って、考えざるをえなくなった。なんか決意した。103で死んでも30で死んでも、どう生きたか、ってことが大事で、長けりゃいいってもんじゃないね。かえってそう思った。保身だけして生きる、その苦しさ、怖さってあるんだなって。
多分おばあさんはこの映画のために生きてきた、って思ったんじゃないかな、撮り終えて。こんな静かなドキュメンタリーに人生変えられた感じある。正直びっくり。まだ未消化。DVD出たら買う。
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