30年後の同窓会のレビュー・感想・評価
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さすがリチャード・リンクレーター
ベトナム戦争と湾岸戦争
どちらの時代の戦争にも
意味はあったのか?
意義はあったのか?
考えれば考えるほど、深い森に迷う。
前線に立つ海兵隊員である以上、
個人的な考え、思想は横に置き
目の前の仲間を守るために死力を尽くす。
そこで生まれる悲劇と
どう向き合うか?
どう消化するか?
真実を知ることも
嘘で尊厳を守ることも
必要なのだと。
心に傷を抱えた人間が
いや、三人のおっさんと一人の若者が
心を触れ合わすことで
前に歩き出すという
切ないけど温かいロードムービー。
さすが、リチャード・リンクレーター
会話がいちいち素敵です。
皆がいう通り邦題はどうかと思います(笑)。
last flag flying
理解が出来ない
30年の間に変わったものと変わらないもの
30年ぶりに再会した海軍仲間3人組
スティーブ・カレルの息子が、戦争で命を落としたため、遺体を引きとって葬儀をするまで付き添って欲しいという
30年前、ベトナム戦争に従軍していた3人
戦争というのは、10代後半から20代前半という「最も遊びたい盛り」の男子が集合するところで
一番、バカなことをする年頃でもある
それは、彼らにとっても同じことで、そこが戦場であるにもかかわらず、おバカな行動をしてしまったがために
仲間を一人失い、スティーブ・カレルは服役するはめになってしまった
2003年、スティーブ・カレルの息子が戦死したことをきっかけに彼らは30年ぶりに再会する
その30年の間に、テクノロジーは世の中を変えた
インターネットで昔の友人の消息がつかめたり、携帯電話があれば、どこにいても電話できるようになった
しかし、変わらないものもある
30年前は、ベトナム戦争で多くの若者が命を落とし
2003年もテロとの戦いで若者が命を落としている
そして、彼らの友情は30年前に起きた事件以来、止まったままだった
そこから散り散りになった彼らは、生き方を変え、
ローレンス・フィッシュバーンは牧師になり
ブライアン・クランストンは酒浸りの日々を送るようになった
しかし、スティーブ・カレルの息子が彼らを再び引き寄せ
二人が負い目を感じなくても良いように、スティーブ・カレルが、誰よりも幸せな日々を送っていたことを知らせ、彼らの止まっていた友情の時計を再び動かすのだ
若気の至りで失敗してしまうことは、きっと誰にだってあること
その時に壊れてしまったものを修復するチャンスを息子が与えてくれたのだ
ただ、全体的にボンヤリとした描き方で、イマイチパンチが足りず、心に刺さるって程でもなかったのが残念なところだった
「かつて」か、いい言葉だな。
オヤジ達の再会
邦題に難ありか。
ベトナム戦争を、闘った元海兵隊の初老の3人が、過去と現在の戦争を背景に旅するロードムービー。
軍から息子の戦士を知らされた真面目なドク(スティーブ・カレル)、酔っ払いで楽天家のサル(ブライアン・クランストン)、神父に転じた乱暴者のミュラー(ローレンス・フィッシュバーン)のキャラの違う3人が織りなす物語。
常に戦争がある軍隊を持つ国でなければ、わからない感覚があるなぁと感じた。回想シーンは無く、彼らの語りから過去が見えてくるが、悲惨さや後悔を乗り越えてきたらか、暗さはあまりない。明るい映画かというとそうではないが、重苦しさを抱えながら、再会を楽しんでいる彼らの姿に、哀愁がつきまとう。
信じて闘ったが、あの戦争はなんだったのか、死を美化して終わらせるのでは無く、現実をきちんと捉えて、前に進もうという意志を感じる。
3人のが一緒に初めて携帯電話を買ってはしゃぐくだりが気に入った。2時間ほとんどが、主演3人の絡みで構成され、観る側(自分)の文化的な背景も違うので若干ダレるが、最後まで飽きずに観れるのは、名演であることは間違いない。
名優3人がとても良いです
主演3人のアンサンブルに酔いしれる
時間の有限性を描いてきたリンクレイターの新作は『さらば冬のかもめ』の精神的続編。旧友3人、息子の遺体を連れ帰る旅で浮かび上がる、アメリカの「体のいい嘘」と彼らの罪の意識。これは贖罪の旅でもあり、「優しい嘘」で止まった時が動き出す。主演3人のアンサンブルが見事
重ねてスティーブ・カレル、ブライアン・クランストン、ローレンス・フィッシュバーンの3人のアンサンブルが素晴らしい。列車の中でベトナム駐留時代の思い出話をするシーン、初めて携帯電話を買うシーン…幸福な時を共有する感覚はリンクレイター作品ならでは。手紙を読むカレルの傍らに2人。泣いた
『30年後の同窓会』でブライアン・クランストンがラジオを点けるとエミネムの"Without Me"が掛かる。ラップ=黒人の音楽という固定観念からクランストンは「モータウンとはかけ離れてる」というが、歌っているのは白人。モータウンはデトロイト発祥のレーベル。エミネムはデトロイト出身。8マイルはデトロイトの通りの名称。白人と黒人を分断するライン
重いけどもほっこり
すごく良かった
元々好きだったスティーブカレルが出てたので観てみた。
30年後の同窓会という題名にあの写真だとどんな暖かい映画なのかと思ったらいい意味で裏切られた。
戦死した息子を引き取りに行く道中で自分たちがずっと抱えてきたモノを整理したり、戦争への監督達の考え方だったり、もちろん邦題の通り友情要素もしっかり詰まっていて、観た後は充実感に満ち溢れていた。
どちらかといえばハートフルな映画だが三人が思い出話を電車でするシーンは久しぶりに映画館で大爆笑してしまった。
この監督は全てをはっきり描かない70年代の映画が好きなのはすごく同意だが過去の事件に関しては何があったのかとても気になる。
まだ暗くはない。けれど"そこ"に近づいている
自分も"アラフィフ(50歳前後)"だからなのか、登場人物に妙に共感する何かがある。とはいっても自分は、"元軍人"でもないし、もちろん"ベトナム戦争世代"でもないので、50代が持つであろう人生観に共鳴するのかもしれない。
リンクレイター監督は、"映画の尺"と"人生の尺"というタイムスケールを自在にコントロールする人だ。
リンクレイター作品が描く人生の尺は、たった1日の場合もあれば、2015年にアカデミー賞6部門ノミネートの「6才のボクが、大人になるまで。」(2014)では、"12年の実時間"が作品となる。前作「エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に」(2016)では、たった4日間の出来事を永遠に感じさせてくれた。
本作は約1週間のロードムービー。しかしそこに横たわっているのは30年という時間だ。
リンクレーター作品は無駄なシーンがなく、セリフが自然で滑らかにつながり、観客がその場にいるかのような共有の空気感を持っている。
30年ぶりに再会した、元軍人の3人。旧友に会いに来たドクは、1年前に妻に先立たれ、2日前に息子が戦死したことを打ち明ける。サルとミューラーの旧友2人に米軍基地まで遺体を引き取りにいき、息子を故郷で慰霊するために同行してほしいと頼む。3人は車や列車で旅を共にし、語り合う中で30年の時間を埋めていく。
独身で場末のバーを経営するサル。ベトナム戦争の過去を捨てて牧師になったミューラー。対照的な2人のやり取りが最高だ。"自分に正直な楽天家"と"神に正直な聖職者"がドクに語りかけるセリフは、まるで"天使と悪魔のささやき”である。
そして3人の間には、30年前の秘密の出来事がある。3人を演じるスティーブ・カレル、ブライアン・クランストン、ローレンス・フィッシュバーンの演技合戦がこのストーリーに厚みを持たせている。とりあえず区切りをつけるものの、すっきりした結論があるわけではない。
ボブ・ディランの「Not Dark Yet」(1997)がエンドロールで流れるのが印象的だ。
♪It's not dark yet, but it's getting there. (まだ暗くはない、けれどそこに近づいている)
青春をかけた過去を振り返りつつも、まだ残された人生がある微妙な世代。"そこ"とは、人生をかけて探している"答え"なのか。あるいは死んでしまった家族や友人のいる向こう側なのか。
(2018/6/8 /TOHOシネマズシャンテ/ビスタ/字幕:稲田嵯裕里)
いい作品だなー、と。
望み
【戦争が、民に及ぼす哀しみを深く考えさせられる、戦友同士の上質なロードムービー。】
☆☆☆☆ 「なんのための戦争?」 生真面目なドク。 自分勝手で粗野...
☆☆☆☆
「なんのための戦争?」
生真面目なドク。
自分勝手で粗野な男のサム。
出来る事なら、昔の事は忘れたいミューラー。
この3人の言わばロードムービーと言って良い。
予告編を観た時には、久しぶりに会った戦友が『いつも上天気』の様に、思いっきり羽目を外すお馬鹿ムービー…かと思っていた。
しかし、実際はかなり違っていた。これは深く心に染み入って来る内容でした。
この3人が知り合ったのは、遥か昔のベトナム戦争。
そして時代は、9・11から数年後…。
《独裁者の死と名も無き兵士の死》
親として、ドクは大佐に対して言う。「見なけりゃいけない!」
それに対して大佐は言う。「見ない方が良い!」
こちらにまかせろ…と。
この時の場面と共に、3人が列車の中で想い出を語り合う場面は忘れがたい。
言っている言葉は違うのだけれど。どこか、「この国は間違っている方向へ向いてはいないのか?」…と語り合っているかの様な…。
しかし直後には…。
下ネタ満載で笑い合うって言うね(^^;;
確かに13歳でディズニーランドへ行くのは早すぎるぞ〜(ㆀ˘・з・˘)
映画の終盤での埋葬シーンを観ていると。例えとしての使い方として、かなり間違ってはいると思うのだが。どこか【悪法も法なり】では無いが…。
「それでも俺たちはこの国に産まれ、この国を信じている!」…と、宣言された様に感じてしまう。
国を批判こそすれ、それでも新しい変革は必ず起き。その指導者と共に進んで行く。
気持ちを1つにし星条旗の基に集う。
人によっては映画本編が、右に行ったり左に行ったり…と。優柔不断に観えなくも無いが。これこそが、アメリカに成熟した民主主義が根付いている証拠にすら思わされた。
何しろ途中から、この3人に寄り添うのは【ワシントン】なのだから。
「どんな意見もウエルカムだよ」と言っているかの様だ!
今、日本では有る作品を巡って、かまびかしいネット論争が起こっている。
ちょっとでも自分の(自分達の)思想とズレが有るだけで。その存在を否定・炎上させ、潰しに掛かるバカな連中が一気に!
更に臭いものには蓋とばかりに、長々と続く隠蔽体質。
これでは真の民主主義など根付く訳など無いのを思い知らされた。
2018年6月8日 TOHOシネマズ流山おおたかの森/スクリーン7
インディペンデェンスの匂いだ!
リチャードリンクリンター監督の作品は、見逃せない。
メジャーでは、ないがね。
駅の映し方がいいよね。
若者の青春を政府が奪っていいのかな?
ジワっと心に問いかけられますね。
ボブディランの歌が耳に優しい。
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