「カラーの裏で・・」ラジオ・コバニ critique_0102さんの映画レビュー(感想・評価)
カラーの裏で・・
それは音のない世界だ。
声を奪われた世界だ。
だから、人は、亡きものたちに代わって、声を届けなければならない。
今ここにある現実は、ひたすら、ただひたすら、声ある世界を願っている。
重機で亡骸を探しだす、いや生気なき物体を拾い上げる作業もまた、喪の作業だ。
葬いは、儀式ではない。
その形式に従えばいいというのではない。
無形であれ、無定形であれ、死者が、その痕跡が、我々の前に表象される時、初めて、我々はその葬いの意味を知るのだ。
意味を知るーそれは死の意味を知るということだ。
死の意味。
この国においては、この70年間、恣にされてきたその意味を誰が知ろうか?
コメントする