「希望のない世界」ラジオ・コバニ ichiさんの映画レビュー(感想・評価)
希望のない世界
これほど戦争の悲惨さを描いている映画は、今まで観たことがなかったかもしれない。
無言で淡々と死体を片付ける作業員たちの姿は、ただただやり切れなさが伝わってくる。瓦礫だらけの街に佇む無邪気な子供たちに、明るい未来は無いのかもしれない。友達との雑談、母親との会話も、不安を紛らわすためのようにきこえる。ウェディングドレスを着た新婦の顔は、なぜか晴れやかな笑顔には見えなかった。
ラジオから流れる彼女の声に希望を見いだすことはできるが、どこか虚しく響く。
幸せになりたい
そんな単純な願いでさえ、自身の努力ではどうすることも出来ず、不安に苛まれながら、努めて明るく前向きに生きようとするコバニの人達に、一日も早く平和が訪れるよう祈らずにはいられなかった。
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