ラッカは静かに虐殺されているのレビュー・感想・評価
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『カメラは武器よりも強し』
劇中の言葉が印象的です。 なるほど、今はそうなのかもしれない。 そして私は、後藤健二さんが殺害された翌日の、NHKの「あさイチ」の柳澤秀夫解説委員のオープニングコメントが思い浮かびました。 家族や自身の身の危険まで冒して送ろうとしている情報。 なぜそこまでするのか。 彼らの望みは何なのか。 こういう映画を見て、私たちがどのように解釈するか、とても問いかけてくる映画でした。 難民受入国のドイツで、難民排斥デモが起きている映像が流れます。 「無知」「無関心」によって引き起こされたものだと思いました。 でも、こういう感想をもてたのも、今日この映画を通して、国を出ざるを得なかったシリアの人々の背景を知ることができたからです。 何も知らなかったら、私もデモに加担していたかもしれません。 昨日、韓国の光州事件を取り扱った映画『タクシー運転手 約束は海を越えて』を見たばかりでした。 この2日間で、報道の大切さを痛感しました。 映画を通して感じたことがあります。 一貫して、女性が出てこない。 これらの国々で、女性の立場はどうなっているのか? そのことが頭から離れなかったので、次は『ガザの美容室』を見てみたいと思います。
幽霊の町
イスラム国に制圧され、ISの首都となってしまったシリアのラッカで、現実を伝えようとする市民によるジャーナリスト集団”RBSS(Raqqa is Being Slaughtered Silently)=ラッカは静かに虐殺されている”による、死と隣り合わせの中で行われるSNSによる報道を描く。あの「カルテル・ランド」のハイネマン監督の作品としては、映像としての”現場のリアル”が多くはなかったが、それほどに現場は緊迫していたという事でしょう。それをもっと見せろというのは、あまりにも身勝手な話。ほとんどがシリアを脱出して亡命した先で投稿を行うメンバーにより語られる。国外にいる彼らにさえも命の危険が迫っているというのに、国内で決死の活動を行っているメンバーも多数いる。映画中に何度も彼らの口から語られているが、本当に称賛されるべきは現地に残った名も無い普通の市民たち。彼らの決死の報道は、確かに全世界に伝わった。
ラッカは静かに毒されている
このシーンが嫌!
ISの3才位の子供が熊のぬいぐるみの首を切って叫んでいるシーン
このシーンが好き!
夢は結婚すること と照れくさそうに言うシーン
生まれたばかりを優しく見る親
まともな死に方をしたい
ISに追われるラッカのジャーナリスト達を描くストーリー 常に死との隣り合わせの中、必死にラッカの現状を伝えようとしているメディアがあることを知らなかった。 「まともな死に方をしたい」というセリフが印象に残りました。
ペンは剣よりも強し
恥ずかしながらRBSSの存在を知りませんでした。大変勉強になりました。予告編の印象に対して、作品自体は結構クールな視点。その中でサラっと衝撃的な「公開処刑」の映像が差し込まれた時、ラッカの現実を肌感覚で垣間見た「気がした」。戦慄のドキュメンタリー 「ISは思想だ/思想は空爆で無くならない」という言葉が印象的。まさに不断の戦いに身を投じたRBSSに敬意を表する。「ペンは剣よりも強し」とはいうけど、実際剣にペンで対抗するにはどれだけの勇気と覚悟が必要か。自分なら逃げ回るか、最悪ISに参加してしまうと思う。自分の弱さに改めて気づかされる 本作の公式サイトにリンクがあるRBSS公式サイトから寄付ができるんやけど、金額が75US$から。寄付したいのはやまやまやけど僕も家計が厳しいんです。ごめんなさい。宝くじが当たったら絶対寄付します
試写会
原題:CITY OF GHOSTS ISって言葉はニュースで知っていたが、そこまでの知識も無く鑑賞。 日本で生まれ育ってよかった。 と、率直に思った。 ラッカの人達は何にも悪くない…… だけど、生きる為にはISに寝返りせざる終えない……。 子供たちまでISに侵されつつある。 日本のニュースでは報道されない 残酷残虐なシーンが沢山あります。 それでも私は、観てよかったと思えました。
何も出来なくて、ごめんなさい
生まれた環境が違うだけで、こんなにも人生が違うのか。 新しい生命が宿れば誰もが微笑ましい気持ちになり、近しいものが亡くなれば悲しい気持ちになる。 ただ、善悪の基準は生まれた環境によって大きく異なる。 もし自分がIS側に生まれていたら? この手の映画を観終わった時だけ、正義感をふりかざし、戦争はんたーい、などと唱えたところで、世の中何も変わりません。 また明日から、日々の生活に追われ、暇つぶしにスマホをいじり、ニュースで世界情勢の一部を知り、ああ大変だな、なんて頭の片隅で思い、また日常生活を送る。 シリア情勢を知ったところで、自分には何も出来ません。 観なきゃ良かった。でも、知って良かった。いろんな気持ちが交錯する。 何も出来なくて、ごめんなさい。
夢なら覚めてほしい
これが現実と信じたくない。 世界の何処かで起きているなんて 嘘であってほしい。 でもこの現実と向き合ってる人がいて それを知れて、知ってしまった以上、無視できない。なんとかしたい。平穏な暮らしが戻ることを祈る。 人の欲望は無限だ。欲望の方向がバラバラなのがたちが悪い。映画より進んだ現在のラッカはISでもなく、アサド政権でもない勢力が掌握している。 まさに地獄だ。劇中の「ISとは組織ではなく思想。思想を超える政府が必要」のセリフ通りラッカ民による統治が叶うように。
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