「「波」が主役の映画」ラブライブ!サンシャイン!!The School Idol Movie Over the Rainbow 海口サリューさんの映画レビュー(感想・評価)
「波」が主役の映画
非常に個人的でとても偏りのあるレビューとなります。お読みになる際はお気をつけてお読みになって下さい。
「レタリングに1400時間かけた波が見所です」
これが監督の見所だそうです。
歌(ライブ)でも、キャラクターでもなく、波が見所なのだそうです。
サンシャイナーは波を期待してあの映画を観に行ってると監督は解釈したようですね。
大半のファンはこれでサヨナラでしょう。大半のファンが期待したのは「各々のキャラクターの活躍や成長」であり、また「素晴らしいライブパフォーマンス」でしょうから、前作より動員数が大幅に落ち込むのも納得です。
「映画のメインテーマはあえて完成させず、未完成な状態から色々派生させて作った」
言い換えれば「我々は何も考えず適当に要素を詰め込みながら映画を作った」と白状しているようなものです。
最初のフォトセッションもそうした一環なのでしょう。正直全く必要ないです。撮ったから何?という話です。それやるくらいなら1年生トリオに新曲歌わせてやれよと思ってしまいます。でもこうゆう発想も出てこないんでしょうね。何も考えていないから。
その何も考えなかったであろう最たるものはイタリアに行ったシーンだと思っています。 スタッフの話ではμ'sが行ったからAqoursにも行かせたらしいです。
つまり何も考えずに海外行かせたから海外行かせるそれっぽい理由考えなきゃ…で鞠莉が鞠莉ママから逃げてるという理由なんでしょうけど、はっきり言って海外である理由がまったくない。 海外の渡航はとても高いのだからそれを日本国内を転々とするのに使った方がまだ自然だと思われる…
で鞠莉ママが頑固なように描いておいて、あの程度のライブで説得させられてしまう鞠莉ママが哀れで仕方ない…
「私は都合の為にこうゆう事を演技させられました」と雄弁に語っているようなものです。
はっきりいって有り得ない。鞠莉ママは小学生時代からの鞠莉の悪行について言及しています。それだけ強い意志を持った人間があの程度の歌で納得はさせられないのです。実に非現実的で気持ちの悪いシーンです。頑固で頑強な下地を持つ人を説得するというのは容易なことではないのです。
また新キャラである月ちゃんもその一つだと思います。はっきりいって目立たせた理由が分からない。イタリアを案内する為に作られたキャラだといっても過言でない訳だが、曜ちゃんにキャラが被りすぎていて曜ちゃんを食ってしまっていた。
それなら曜ちゃんに新しい設定を加えてイタリアに行った事があって少し案内できるくらいでよかったと思ってしまう。
撮影だって鞠莉の関係者にやって貰えばいいだろうし、月ちゃんが出てくる理由が殆どない。そもそも撮影する必然性があったのか非常に疑問ではある。
新しい学校の生徒会長であるという設定は、いいと思いますがここまで目立たせてしまったのははっきりいって脚本ミスとしか思えません。
何も考えていないのが如実に分かる存在となってしまいました。
セイントスノーが目立ち過ぎてしまっている点もそうした何も考えていないというところに帰結するのでしょう。
本来ならこの映画の主役はAqoursのはずです。が目立つ曲を与えられ、ある程度納得のいくストーリーを与えられたのはセイントスノーでした。
実は波の象徴はセイントスノーだったのかもしれませんねw
最後のシーンAqoursは6人で歩み始めます。ですが何故かそこには卒業した3人の姿がwww まぁ、彼らの思いを受け継いだという象徴的なシーンなんでしょうけど、歌をやってる人にとっては違和感だらけなこのシーン,。
思いは受け継げても、その人がもともと持っているものは受け継げません。声真似は所詮声真似であって限界があるのです。いなくなった人間はどうあがいてもいないからこそ、残った人間がなんとかするしかないのです。
思いを受け継ぐことができたら、いなくなった3人分の技術を丸ごと再現できるとか…もうはっきりいって笑いを取りに来てるかと思いましたね。練習の描写も殆どないのにw
何故6人だけで唄わせなかったのか。これも何も考えていないの一言に尽きます。まぁ、商売の事が念頭にあったのでしょうが、それでも何も考えていないと私は断じます。
そして映画のラストに波と2人の少女の声がします。この2人の少女は浦の星の最後の入学希望者なんだそうです。これで主人公達の願いがかなった事になるらしいと監督の言。
もうねアホの極みですわ…これ以外に評価しようがありません….
作品の得点としちゃ0点です。はっきりいっていい加減で見ていて吐き気のする物語です。
おおよそ中途半端で、都合のいいだけの最低な話です。いっそのこと、これは実は植物人間状態の高海千歌が見ている夢の話と言われた方がまだ点数のつけようがあります。実際映画見てみると高海千歌にとって都合のいい展開が多々ありましたし。
ならどうすればよかったのかって?初代ラブライブが勝利の物語ならばラブライブサンシャインは徹底した敗北の物語であるべきだった。
徹底した敗北の中にも希望があり、経験があり、積み重なっていくものもある。
敗北の泥をすすりながら懸命に足掻き団結し頑張ってきた姿を見せられれば「0にはならない」のセリフも少しは重みが違ったのではなかろうかと私個人は考えています。
波が主人公の映画ですから、物語の内容やキャラクターに注目する事はとてもナンセンスな事なんでしょうが、私は波より、キャラクターの活躍や内容の方が大事なので長いレビューを書かせて頂きました。
長文お読み頂き誠に有難うございました。
誤字脱字のチェックなどはあまりできてはおりませんのでそこはお許し頂けると幸いです。
本人も仰ってますが、「私はサンシャインが嫌いです」という意思に則った非常に偏りまくりなレビュー。映画本編以外の付随情報に踊らされた悲しき感想。
「嫌い」感を共有したい方以外には全く読む価値なし。