万引き家族のレビュー・感想・評価
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文句無し
家族とは何か、正しいとは何か。
凛ちゃんが辛い…一度も本当には幸せそうに見えなかった。
まだ手探りで「あなたは生まれてきて良かったんだよ」のメッセージを貰いたくて必死になってる最中だったのに。
祥太は悲しい。愛のようなものに慣れれば慣れるほど、善悪に冷静になっていく成長する彼が自らの手で壊さなくてはならなかったものが、悲しい。
池脇の刑事役が放つ不妊に対する台詞が私には厳しかった。誘拐はしないまでも、虐待する親から貰いたくなる気持ちには共感。
安藤サクラ、樹木希林をはじめ、子役も全員素晴らしい演技でした。
温かく、優しく、でも間違いが悲しい映画でした。
テーマが広くて、自分自身では回収しきれなかったからきっと観終わった...
テーマが広くて、自分自身では回収しきれなかったからきっと観終わった後にモヤモヤするんだと思う
倫理とか、愛とか、嘘とか、現実とか
こうした風刺を目の当たりにして、自分なりに受け止めて、どう考えれるかが是枝監督の作品の真髄かなって思う
産みたくて産んだんじゃないと、産まれたくて産まれたわけじゃない子供に言う大人
他人だけど、むしろ他人だからこそ愛を教えることのできる大人、でもその愛ですらも、どこから来たどういった形の愛なのかはっきりしない
嘘を隠して生活する家族、嘘があるから愛することのできた家族
愛ってなんだ、嘘ってなんだ
ただ、見たくないもの聞きたくないものを、常識とか当たり前、倫理観という概念で覆い隠す、それが現実なら、アウトローな場所で暮らす人たちの居場所はないんだろうな、それが正しくても
初日舞台挨拶にて
素晴らしすぎる…監督とキャストとスタッフの力が合わさって出来た繊細な映画。これこそが日本の宝だよ。迫力やキャストのスター性ではハリウッドに劣ってしまう点もあるが、やはり邦画は素晴らしいと再認識させてくれた映画。
主人公の治を演じたリリーフランキーは相変わらずクズだなーと心の底から思わせてくれるが、それだけでは終わらない。心を奥底まで覗ける巧みな心情描写で心が揺さぶられる。予告でも使われているシーンでは鳥肌。まさに“そして父になる”
その妻の信代を演じた安藤サクラも素晴らしすぎる。カンヌ映画祭でケイトブランシェットを、「もし今回の審査員の私たちがこれから撮る映画の中で、あの泣き方をしたら、安藤サクラの真似をしたと思ってください」と言わしめたとにかく圧巻の演技。泣く演技以外にもいいシーンはめちゃめちゃありますよ!!
そして、その娘(後に本当の関係性が分かる)の亜紀を演じた松岡茉優。『勝手にふるえてろ』や『ちはやふる』でも日本最高峰の演技を披露してきた彼女はまた新たな境地へ。重要な会話も多々あるが、池松壮亮演じる“四番さん”とのシーンが印象的で震えた。
是枝監督ならではの雰囲気も良く、とても居心地がいい。ずっと見ていたい気分になった。後半からのトーンが変わったところもすごく好き。
「誰も知らない」に似てるけど、誰も知らないの方が良かったと思いまし...
よかった
前の日に見た『フロリダプロジェクト』と同じく貧困がテーマで、インディーズ里親の映画でもあった。
安藤サクラの演技の凄みがたっぷりで、もし彼女が実在していたとしてもそれ以上に本人だったような感じだった。
リュックを用いてスーパーで万引きするのはあまり上手なやり方ではないのではないだろうか。トートバッグの方がいいと思うけどそれだと怪しすぎるのだろうか。釣具は釣竿より、ルアーの方が盗りやすいし、買うのが馬鹿らしいほど高いし消耗品だから盗り甲斐があると思う。
男の子がお勉強していて健気だった。妹にちょっと意地悪するところが子供らしくてよかった。
相手の心境を慮る、の連続
のっけから万引きするシーンってどうよ、と思いながら、それが日常で当たり前なんだ、っていう世界に一気に引き込まれる。
歯が抜けたら屋根の上に投げる、とか、塩なめたらおねしょが止む、とか、安藤サクラや松岡茉優の団欒中の些細なセリフとか。
是枝監督の作品でいつも感じる、「あぁ、そういう人いるいる」「そういう事よく言う言う」という既視感というか、臨場感というか。
万引きして生活してるとか、おばあちゃんの年金に寄生してる部分があるとか、その価値観には賛成できないのに、なぜかいつの間にか彼らを許容し、彼らの視点で社会を眺めているのは、そういう、人と人のとの関係性やつながりってそうだよね、そういうのあるよね、と共感できる部分が様々な場面に散りばめられているからだと思います。
他の方もおっしゃってるように、刺激的なラストとか、幸せな結末があるわけではない。
映画館の広いスクリーンで鑑賞するに耐える映画か、と問われると、それでなくてもいいのかもしれない。
で、結果、何を訴えたいのか、という人もいると思う。
でも、問題提起や、テーマが、必ずしも無くてもいいんではないかと思う。
それが現実だから。
現実ってそれ以上どうすることもできないから。
そういう人もいる、
わかる部分もある、
そんな現実を知って切なくなる、
相手の心境を思って涙が出そうになる、
そんな時間を過ごせたので、
自分としてはありがたかったです。
なるほど
役者が揃って漏れなく上手いので、
「日常を切り取りました」って観えます。
これを観て、
『血縁だけが家族じゃない』
『自分は何も悪くないのに生活苦なんだ、許してよ』
と正当化したり、マネする人が出ませんように。
そのくらい自然で上手い。
これはダメな大人がしでかした家族ごっこに過ぎないし、
人にお金を集ったり、
万引きという犯罪で生計を立てるのは間違い、
とこの映画は言っているのです。
男の子の成長と、
おばさんが改心しているのが正しい姿。
一方で、
間違えたままの人を、
おじさんと女の子とお姉ちゃんで観せている。
どちらも提示して、
観た人に考えさせ、結論は無い。
カンヌが好きそうな作りの映画です。
それで良いんですけどね、映画は。
家族って…
万引き家族
虐待の挙句殺してしまう親を止められない社会の陰で、あざだらけになりながら親から離れられない女の子を救い出してあげる優しさに胸が詰まる。
「三世代同居に補助」などと少子化対策の名のもとに、妙な理想家族像の押し付けを皮肉った快作でもある。
血のつながりがない人の集まりは家族ではないのだろうか。しかし頬っぺたをくっ付けたくなるような暖かさを感じるのは、犯罪が悪いとかいう問題以前の生きづらさに対する救いを見せてくれるからで、家族の本質を感じる。
是枝監督オリジナルの映画からルネ・クレマンの「禁じられた遊び」を呼び起こさせるのは、すがるもののない5歳の子が、人の温もりを一瞬でも感じてくれる安堵と、大人の都合に振り回される怒りのようなものが蘇って来たからだ。
是枝裕和の集大成
是枝裕和がこれまで描いてきたことを総動員した、まさに集大成となる大傑作。生きることは食べること、性的な描写にも嘘がない。家制度からドロップアウトした人達(スイミー)が作る擬似家族こそ豊かに映るという皮肉。ラストカット、彼女の視線の先にあるのは希望だと思いたい
語り口が兎に角上品。言葉には言外の意味があり、「傷跡」「数え歌」などの反復描写が「絆とは何か」を雄弁に語っている。役者の演技も素晴らしく、特に安藤サクラの泣き演技には圧倒された(とケイト・ブランシェットが言ってました)。細野晴臣のミニマルな音楽が緊張感を生む。ちゃんと「面白い」作品
是枝裕和はエロスの作家で黒沢清はタナトスの作家なんかな。知らんけど
『万引き家族』は殊更に問題提起をしてみせるような作品ではないことは観れば誰でもわかる。観ればな。是枝監督もインタビューでそう語っている。これはひとりの女の子に向けて語られたミクロな作品。でも観れば誰もに何か響くものがあるはず。観ればな
見えない花火を見上げる姿
人の物を盗んではいけません。
人を騙してはいけません。
人を殺してはいけません。
法治国家において至極あたりまえの理念。
しかし、それらを外れた部分でこそ結び付き合う絆があり、人々がいる。
得てして幸せな姿に見えるが、やはりいつかは破綻していくもの。
見ることの出来ない花火を皆で見上げる姿にそれが象徴しているような気がした。
いかなる理由があるにせよ、大人が万引のやり方を子供に教えるなんて事はあってはならない。
それらがあたりまえの事だと子供たちに思わせてはいけない。
祥太が治の行動に疑問を持ち始める姿を見て、少しほっとした。
真っ当な家族があたりまえに幸せだと、誰もが思える世の中になってほしい、という願いが込められているような作品だと思う。
しかし、メディアで「感動」等の言葉を使って賞賛するような映画では無いような気がする。
賛否が出てあたりまえ。そんなに甘いテーマでは無い。
それにしても安藤サクラはやっぱり良い!
家族の形
パルム・ドール賞受賞作品、「万引き家族」
見る人により感性が変わってくる作品であることが鑑賞してて伺えた。
ここにレビューするのはあくまで私の感性に基づいたモノであると言うことを前提に読んでいただきたい。
万引きとパート。バイト。そして初枝の年金で生計をたてる嘘偽りの家族。
彼らに血の繋がりはない。
しかしながら、彼らは固く脆い絆で家族として繋がっていた。
治(リリー・フランキー)と信代(安藤さくら)は運命共同体として。初枝(樹木希林)と亜紀(松岡茉優)は異祖母と孫として。そして、祥太(城絵史)とりん{じゅり}[ゆり](佐々木みゆ)は義兄妹として。
それぞれが各々で望む繋がりであった。
ざっとここまで大まかな話の流れ。家族の関係性は書いたのでレビューに移ろうと思う。
ここまでの点を踏まえて私が感じたこの映画の伝えたいこととは何か。
それは、家族の絆とは血の絆などではなくどれ程他者に対して自己犠牲出きるかどうかである。
自分を可愛く思うものは結局保身のためにしか動かないし、他者を愛しく思うものは最期まで他者のために動く。
どんなに辛い過去があっても他者を大切に出来るもの。その者は家族を家族たらしめる。
そういった意味では幼き子というのは最も家族を家族として結ぶ者である。そして、幼き子を繋いで母が家族という基盤の土台なる。
これを理解していただける方は少ないだろう。しかし私にはこの言葉以外は浮かばなかった。
私は思う。大人が幼き頃に戻りたいのは家族を家族たらしめる者になりたいからであると。
私は今から母に謝ろうと思う。大人になるにつれ汚れた私をいまだ家族という枠組みに縛り続けてくれることを。
家族の束縛は実に素晴らしいものである。
何かに飢えている、愛情を知らないのか?心にわだかまりがあるのか? ...
家族の定義とは
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