万引き家族のレビュー・感想・評価
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「賞を穫る!」という意欲に溢れた作品
俳優さんが豪華だよね。「このチョイ役に池松壮亮!」「物語終盤のこの段階から池脇千鶴と高良健吾!」「この一瞬のために山田裕貴!」「その一言に蒔田彩珠、その父親に緒形直人!」って。みんな主役で映画が撮れるもんね。
もちろん主演陣は超豪華になるんだけど、リリー・フランキー、安藤サクラ、樹木希林が作ってく芝居に松岡茉優がちょっと合わない気がしたの。「ここだ!」ってシーンの表情とかは良いんだけど。ここ本当は夏帆つかいたかったんじゃないかな。
映像も綺麗だよね。見えない花火を見上げるところとか。リリー・フランキーと祥太が雪だるまつくるところなんて、モノトーンで決めてるしね。でも「あざといなあ」とも同時に思うの。「どう、このシーン、綺麗でしょ?」って言われてる気がする。
映像の綺麗さにも関わるけど、雨のシーンも多いんだよね。加えて雪のシーンもあるし。予算潤沢に使えたのかな。
端役に至るまで豪華俳優の起用、限定された気象条件での綺麗なシーンと「やったんでー」という意欲に溢れた作品だなあと思った。「見ろ、俺が是枝裕和だ!」って感じ。カンヌで賞獲れて良かったね。
そうした気合を活かす脚本はものすごくうまいと思った。細かなシーンを重ねて、少しずつ少しずつ「家族って?」っていうのを自然に訴えてくる。
「映像の力も活かした映画らしい良い作品」という気持ちと「作為が隠せてなくて嫌味になってる」という気持ちが半々になる映画だったよ。
しっかりと家族だった
親子で万引きするほど
貧しい家族の秘密が明らかになっていく話。
役者陣みんなすごかったけど
やっぱり安藤サクラが最強だった。
演技しかり体しかり。
家族って何だろうを
全力で問いかけてくる作品だった。
1人じゃ生きていけないから人が集まる。
それが友達であれ社員であれ。
自分には本当の家族っているのかなと
ふと思ってしまった。
劇中の柴田家はしっかりと家族だった。
そこで思い出したのは「なんちゃって家族」
あれは毛色が全然違う作品だったけど
家族に必要なのは血の繋がりじゃない!
万引き
「捨てたんじゃないよ。拾ったんだよ。誰かが捨てたものを」って言葉が心に残っています。
人の家族を盗んで、その人がまた人の家族を盗んで、そうやって一緒に住んでたから万引き家族なのかな。万引きってほんとに悪いのかな。とか。
家族に必要なものとは
警察の尋問を受ける信代の言葉、
「棄てたんじゃない、拾ったんだよ」
これが本作のすべてを表しているように感じました。
万引き家族は、みんな棄てられた人たちなのでしょう。
治は祥太に自分の真の名前をつけました。自分を祥太に重ねて、経験できなかった父親の愛を体験したかったのだと思います。信代も治も棄てられた自分を救うために、祥太やリンを拾ったのではないでしょうか。
社会的に見れば、彼らは間違った家族です。実際、祥太のケガ以後に夜逃げをする姿を見れば、精神的なつながりもどうなのだ、と疑問も湧きます。
しかし、万引き家族には、家族として絶対に必要なものがありました。
それは団欒です。
みんなでカップ麺とコロッケを食べたり、リンの好物を理解しておふを食べさせたり、見えない花火を見たり、海に行ってジャンプしたり…
この団欒が存在していた意味では、万引き家族は真の家族でした。
このような日々があったからこそ、祥太は成長できたし、リンは海の絵を描くことができました。つまり、万引き家族には愛があったのです。
(責任はなかったけどね…)
信代はひとりで罪を被り収監されました。そこで吐いた「お釣りがくるよ」の言葉は真実でしょう。お母さん、とは呼ばれませんでしたが、お母さんとしての仕事は果たしたように感じました。信代は治と祥太、リンを救い、自分自身をも救ったのだと思います。愛されない、愛せない、自分の存在に価値を見出せない苦しみを生きることに比べれば、ブタ箱生活など「お釣りがくる」程度のものでしょう。
印象的なシーンもたくさんありました。団欒の場面はもちろんすべて良かったのですが、海遊びシーンは本当に安らかで喜びに満ちていました。俯瞰シーンがすべからく感動的で、夜に治と祥太が広場でジャレ合ったり、花火を眺めたりする場面は、なぜか胸に迫りました。
中でも白眉は、亜紀と4番の交流シーン。言葉にできないほど美しかったです。孤独な魂同士が惹かれ合い、一瞬繋がる姿には、えもいわれぬ切なさと煌めきがありました。
悪役的な存在の尋問役ですが、なかなかの名言も吐いています。
祥太に学校に行く意味を尋ねられた警官が、少し考えてから、「仲間ができるから、かなぁ」と答えました。家族も大事ですが、家族の外の仲間たちも大切なんですよね。特に祥太くらいの年頃の子どもにとっては。これは名言だったと思います。
しかし、是枝監督は乗ってますね。三度目の殺人から1年経たずにこのレベルの作品をドロップするくらいですから。いやはや感服いたしました。
大人の更生は難しいだろうと思った。
色々考えることが広がって全然感想まとまらないので脈略なく吐き出しておきたい。とても素晴らしい映画だと思いました。
池松壮亮が出てきて、きゃっとときめいた。不意打ち。
サクラちゃんと松岡茉優ちゃんが姉妹でない察しはついたけど、おばあちゃんとサクラちゃんも赤の他人だったなんて…というしょぼめの衝撃を受けた。
松岡茉優は樹木希林の元夫が不倫して別の人と設けた息子の娘で、妹の名前を源氏名にしてJK見学店で働いている。4番さん(池松くん)となんだかつながりを見出している様子。
樹木希林演じるおばあちゃんは、元夫に逃げられていて(離婚はしなかったのかな?だから年金があるのかな?)、元夫がほかの女性と設けた子供(茉優の父)んちに月命日のお参りと称して訪問、せびるつもりかどうか知らんけど、茉優の父から金を受け取っている。茉優はどうやら両親と不仲。両親は世間体大好きっ子なので、家出した長女を留学中と称している。
サクラちゃんと子供ショウタはずっと親子なんだと思っていた。
母子の暮らしに変なおっさんが入ってきたからお父さんって呼べやんのやと思っていた。
こういうことかなと想像しながら見ていたけれど、実際は更に上を行く感じで、
客観的にみるとどえらい犯罪者夫婦(内縁)だった。
貧しくとも学校は通わせられるんちゃうんかなと思ってたけど、
誘拐した子ならばそら通わせられへん。
一人一人の収入は低くとも、リリーさん、サクラちゃん、おばあちゃんの年金があれば、もうちょっとましな生活、せめて食糧を万引きする必要はないんちゃうんかなって思った。
まあ、リリーさんほとんど働いてなかったし、サクラちゃんもクビになった腹いせ?に化粧品やら下着やら高そうなのを衝動買いしてたし、
そういう感じだから食糧に回すお金もないんかもって思った。
言葉にされていない部分でも、いろいろ想像が巡る部分があって、
サクラちゃんはきっと虐待されてたんだろうし、
子どもが産めない、産まない事情があったんだろうし、
切なくなった。
ショウタが万引きに疑問を覚えてくれたのは、ほっとした。
彼は与えられた環境の中で、出来る事の最良のことをした、と思う。
おじさんおばさんになってからだと、ずっと続けてきてしまった悪癖を断つのは難しい。
それ以外で生きていく術がないもの。
まともな収入も住居も手に入れられないし、類は友を呼ぶ以外の人間関係を築けないから、生活を向上させる術がない。
まともを自負する人たちは、リリーさんやサクラちゃんにチャンスを与えようという気にはならない。
周囲が見下し、嫌悪する立場を崩さないから、本人たちも助けてくれって言えない。
リリーさん、サクラちゃんが実際に居たとして、私も多分目もくれない。
触れ合うことがあったとしても、記憶にとどめる必要がないと判断すると思う。
ある程度の年齢がきたら自業自得でしょって断罪してしまうと思う。
それが正しいとは思わないけれど。
社会の底辺に追いやられた人を見下し目をそらす私が映画の隅っこにいた気がして、
情けないなとおもったり、でもどうにもならへんし、自業自得でしょって思ったり、気持ちの置き所が定まらなかった。
リリーさんとサクラちゃんは、機会や人やなんやかんやに恵まれていれば、
人を殺す必要がなかった人じゃないかと思う。
彼らは理由・手段はどうあれ、ショウタとゆりを慈しんで育てた。
健やかさのかけらは確かに持っている。
だけど。
ショウタとゆりが、将来リリーさんやサクラちゃんにならなくて済む方法は、なんだろうか、とも考えた。
パルムドール効果で普段のお客さん意外も観ているなーと感じました。
おめでとうございます。
是枝監督、本当におめでとうございます‼
この作品を見て是枝監督の作品が好きになりました。
万引き家族を見て分かったことは家族の絆って何なのかです。
※この作品で本年度のカンヌのパルムドールだけじゃなく本年度の米アカデミー賞外国語作品賞ノミネートしてもおかしくないと思います‼
やるせない
現代社会の闇的な話。ラストもスッキリはしない。本当の家族とは、なんなんだろうと考えさせられる。確かにそこには、家族があったと私は思う。おばぁちゃんを、隠してしまうシーンは、現実にもよくある報道で、ニュースで見て、ひどいなーとか、凄い人がいるなとかしか、思わないけど、報道されないだけで、裏にはいろんな事情や、しょうがない理由があるんだろうな、と考えさせられました。
あとは、役者が凄いよかった。ただ、無駄にキャストが豪華過ぎることも、若干きになる。
血は繋がってなくとも家族
ハッピーエンドかバットエンドかはわからないけど
過ごしてきた時間は家族で過ごした時間
駄菓子屋さんの配役は良かった
4番さんと警察官は有名な人でなく名も無き役者の方が良かったと思う
ちょっと豪華で、お?となった
しみったれた話
是枝監督の映画はしみったれた話を
いつも延々と流してる。
映画はハラハラドキドキビックリ
心震わせる感動。
万引き家族には
そんなものが全くない。
パルムドールってこんなものか?
日本アカデミー賞はこんなうすら汚い一家を
讃えるのか?
ひたすら重い
ほのぼのシーンもあるけれど。
現実味が薄いからか、感情移入はあまりできず。
難しい。
潰れなきゃ良いとそう都合良い解釈は通じずく、結果父子は違う道に辿り着く。
母娘は一瞬可哀想と思うが、母に関してはやはりしっぺ返し感が否めない。
祖母娘の繋がりが強そうに見えた理由は今一つわからなかった。
背景とか知らない限りは、後半登場の警察官の心情になる人が大多数なのではなかろうか。
子育てごっこ
同じフジテレビ制作の「コード・ブルー」なんか見ると、こんな美男美女ばかりいる職場はないだろうと突っ込みたくなるが、そこへ行くとこの映画は安藤サクラと言いリリー・フランキーと言い、ほど良いリアル感のある顔ぶれで安心する。
もちろん“万引き”も出てくるけど、どちらかと言うと疑似家族による子育ての部分に比重があり、この監督はそのあたりの題材にずっとこだわりがあるようだ。映画はこの家族の閉じた輪の中でずっと話が進むので、最後にすべてが露見して外部と接触することで、かえって開放感すら覚えた。
そう言えば、昔「ひき逃げファミリー」という映画もあったが、あちらはひき逃げした車を家の中に隠して解体する話だったような。
ヒトは弱い
パルムドールを受賞したこの万引き家族。
中々見た足を運べなかったが、昨日やっと鑑賞できた。
映画の感想どうこうよりも、この作品は
パルムドールを獲るべくして獲ったといえる
そんな作品であったと思う。
パルムドールを受賞した「パリ、テキサス」と同じような撮り方をこの映画ではされている。
是枝監督の「そして、父になる」でもあったように今回では風俗店のシーンをオマージュしていた。
また無駄に豪華すぎるキャスティングといった点から、かなりの資金が注ぎ込まれたことがわかるし、これには文部科学省の後押しもある。
是枝監督はパルムドールを喉から手が出るほど欲しかったんだと推測できるし、国としてもも同じく狙っていたと思える。
感想としては、とても難しい内容の映画であったし、やはり家族再生というものがテーマであったが、その結論というものは私たちに投げかけて映画は終了した。
オープンエンディングたったということは、この映画は問題を鑑賞者に投げかけただけで、これから先どうするかは私たち次第ということだ。
この作品から私は、人間の弱さを感じた。
どんだけ人を大切にしようとしても、誰もが自分を優先してしまう。これは人の性だ。
決して悪いことではない。
誰もが心の中に見えない闇、悲しみを抱えている。
それを共有できるヒト(家族である必要はない)がいるだけで、人生は変わっていく。
是枝監督はこれらを社会問題とミックスさせながらセンセーショナルに上手くまとめ上げた。
しかし、作品は高評価とはならなかったが、作品の価値はこれからの私たちに委ねられている。
日常に潜む、静かな闇
みたいなものが深く繊細に描かれていて、是枝監督は「誰も知らない」からちっともブレてない。
終盤の安藤サクラさんの演技が素晴らしかったです。
そしてエンドロール、細野さんの温かくも不穏な音楽が、なんとも言えない観後感にパーフェクトマッチング。震えがくるほど余韻に浸ることができました。
ニッポンはウソばかり
泣くための映画ではない。考えるための映画だ。泣くと気持ちはすっきりするけどモノを考えない。ニセの家族がスクリーンに生きている間、観客席の私たちは日本の社会の不自由さに身を浸す。
日本は貧乏になった。一生懸命働いても、最低限必要な食べ物と、住むところと、着る物を確保できるとは限らない。食い物が足りなければ万引きをする。年寄りが死ねば死んでないことにして年金をもらい続ける。金がないのだから仕方がない。
日本の家族は人が減った。パパとママと娘しかいない。マンションの箱の中で孤立し、追いつめられている。パパはママを殴り、ママは幼い娘に熱いアイロンを押しつける。弱い者がさらに弱い者をたたく。
だからといって、ニセの家族が希望というわけではないのだ。そもそも万引きは悪いことだ。年金をだまし取るのも悪いことだ。リリーフランキーの「お父ちゃん」はママを殴ったりはしない。それでも最後には、万引きは悪いことだと骨身にしみて思い知らされる。盗んで育てた男の子に教えられる。ニセの家族はバラバラになる。娘は虐待のママの家に帰るしかない。
救いがない。泣くこともできない。ただ悲しくなる。ウソの家族の、ウソの話を見てひどく悲しくなる。
今日の新聞に、ジャパンクラスという雑誌の広告が載っていた。「知れば知るほど、ウラヤマシイ!ニッポン人の暮らしぶりに羨望のまなざし」。心の底からアホかと思う。
「ニッポンスゴイ」は我々を救わない。救いがないところから始めるしかない。しかし何を。たとえばデモか。ボランティアか。選挙に行くことか。少なくとも弱い者をたたくことはするまい。世の中にあふれる弱い者を叩く言葉に加担することだけはすまい。よく分からず、楽ではなく、先の見通しも立たないけれど、まっとうなところでなんとか持ちこたえようとこの映画が言っている。
安藤サクラは現代日本の宝。
是枝監督の、是枝監督らしい一本。
惜しむらくは、今の日本にそれが刺さるような的はもう無いんじゃないかという日々の実感。
作品トーンを乱す俳優紛いの起用はかなりマイナス。
池松壮亮、高良健吾が出て来なければ星満点だった。
申し訳ないが、個人的に。
現代日本が誇るエロシーンにしかかり出されない「AV俳優」池松壮亮氏には、嫌悪感しか無い。
珍しく一般作品に来ても、セリフモニョモニョの上にキムタク演技、偉そうにオゾン監督と対談するレベルでは到底無いんだが。
セックス監督のオゾンは大好きなんだろうな、(以下言わずもがなで申し訳ない)
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