劇場公開日 2018年6月8日

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「余裕はないけど護りたいもの」万引き家族 ネコ脱皮さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0余裕はないけど護りたいもの

2021年7月23日
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泣ける

悲しい

難しい

リンの虐待を警察が見逃したのは「産んだ母親だから」なんだろうか。婦警の「産まなきゃ母親になれない」は養子縁組を軽視しているのでは?と。
それとクリーニング店でバイト2人に退職相談させる処。実際に、派遣社員やバイトで良くある話。雇用主が自己都合に持っていく典型的なやり口で、胸が痛くなった。
弱者どうしの助け合いは、窮地に陥った途端に信頼関係より自己保身に取って変わる。
絆というより、細いより糸のような家族関係。些細な歪みで糸がプツリと切れてから、一気にウソがバレて疑似家族の信頼関係が破綻していくのがいたたまれない。
ところで、さやかが実の家族から離れた理由が曖昧ではないかと。
親の愛情が妹に偏ったからと言って家出して風俗嬢になるだろうか?他の家族と違い、暴力のない経済的余裕がある実家があるからあっさり見切れたんだろうか。
他に行くところがなければ、万引や後ろ暗い過去を隠しながら、今居る場所に執着するしかない。
貧困とは、選択の余地がない状況なのだと思う。

ネコ脱皮