劇場公開日 2018年6月8日

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「今の日本の縮図」万引き家族 クリストフさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0今の日本の縮図

2020年1月13日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

難しい

幸せ

市井の人々を描く是枝作品の中で、今回はとても設定が分かり辛い。この人とあの人はどういう繋がりなのかという、謎解き要素もある。

万引きは生活の一部で、そのベースにはもっと深刻な問題が山積みで、
再就職出来ない元犯罪者、
夫に捨てられた孤独な老女、
留学と偽って日銭を稼ぐ若い女性、
ネグレクトで親の愛情を知らない子ども、
それが寄り添いあって生活している風景には、当たり障り無く生きてきた自分には共感ポイントはゼロ。しかし、放置されていた子どもが感じるモノは、元いた家族のそれとは遥かに違い、その子に目をかける老女や偽夫婦の心情もまた、他人ではあるが惜しみない愛がある。

少なくともここで言う愛とは、世間的な常識とは少し離れたモノであるのは、製作者の意図として理解出来る人が多いだろう。

同じ是枝作品「そして父になる」での台詞、

「一緒に過ごした時間が大切」

が身に染みて理解出来る作品である事は、
是枝作品の一貫性を教えてくれる。

偽りとはいえ、彼らは家族だった。

これだけは言いたい。
松岡茉優の頑張りと池松壮亮の存在感に拍手。

クリストフ