「子供が家族だと思えるならそれは家族だ」万引き家族 夢見る電気羊さんの映画レビュー(感想・評価)
子供が家族だと思えるならそれは家族だ
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血の繋がらない人達は家族になれるのだろうか。
万引き家族というタイトルからは全くイメージしなかった内容でした。父になりたい男、母になりたい女、家族を求めた人々を描いた傑作。
家族といえば血の繋がりを考えてしまうけど、本当にそうなのか。「そして父になる」ではまさにそのテーマだったのですが、父親視点が主でした。今回は子供から見た父親や母親という存在について描いていたと思います。リリーフランキーや安藤サクラの存在感が大きいですが、本来的な主人公は祥太だと思う。彼の視点からみた家族が、家族だったのかそうでなかったのか。それが映画では描かれている。
血が繋がっていないことが終盤にかけてわかってくるのがこの映画のミソでそれまで僕らは祥太は血の繋がった家族だなと思うのだけど実はそうではないとわかる。でも分かった後でも彼にとってこれはまぎれもない家族なのではとも思えるのだ。まさに、祥太の気持ちを理解できてくるような感覚に陥る。そこがこの映画のすごいところだ。
血の繋がった家族よりも、家族であろうとした他人の方が家族っぽく見える皮肉。これは僕らにも突きつけられた課題でもある。
この映画の一つの答えとして、子供が大人を親だと思うかどうか。これが家族か否かを決めていると思えた。
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