劇場公開日 2018年6月8日

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「何があれば本当の家族になれるのか」万引き家族 とえさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0何があれば本当の家族になれるのか

2018年5月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

面白かったなぁ
家族のあり方について考えさせる作品だった
カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞作品

彼らは、見ず知らずの人が見れば
おばあちゃん、お父さん、お母さん、おばさん、息子、娘 の五人家族

しかし、彼らは本当の家族ではなく
寄せ集めの家族である
収入は少なく、おばあちゃんの年金をあてにしながら生活している

だけど、彼らの生活はちっとも惨めではなく
彼らは彼らのなりの幸せな日々を送っていた

それは、童話の「スイミー」で
一匹ずつだと小さく弱い魚たちが
みんなで集まって力を合わせて大きい魚と戦ったように
一人一人の生活力は弱いけど
みんなで力を合わせれば
幸せな家族を作ることができるのだ
ということを示している

法律的には正しいけれど、一緒にいて不幸な家族と
法律的には間違っているけれど、一緒にいて幸せな家族
どちらが本当の家族と言えるのかを
この映画は問いかける

家族とは、一体何で繋がっているのか
血なのか、金なのか、それとも愛情なのか

カンヌでも絶賛された安藤サクラが
とても良かった
彼女が流した涙は「愛情があるからこその涙」であり
そんな彼女の深い愛情を容赦なく引き裂くのが、法律だったり条例だったりすることが残念であり、とても悲しいことである

せめて、子供たちばどうしたいのか
誰と一緒にいたいのか
お願いだから聞いて欲しいと切に願った

本当に彼ら家族は悪なのか
思い返すと、なんとも複雑で煮え切らない気持ちが残る作品だった

とえ