「何があれば本当の家族になれるのか」万引き家族 とえさんの映画レビュー(感想・評価)
何があれば本当の家族になれるのか
面白かったなぁ
家族のあり方について考えさせる作品だった
カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞作品
彼らは、見ず知らずの人が見れば
おばあちゃん、お父さん、お母さん、おばさん、息子、娘 の五人家族
しかし、彼らは本当の家族ではなく
寄せ集めの家族である
収入は少なく、おばあちゃんの年金をあてにしながら生活している
だけど、彼らの生活はちっとも惨めではなく
彼らは彼らのなりの幸せな日々を送っていた
それは、童話の「スイミー」で
一匹ずつだと小さく弱い魚たちが
みんなで集まって力を合わせて大きい魚と戦ったように
一人一人の生活力は弱いけど
みんなで力を合わせれば
幸せな家族を作ることができるのだ
ということを示している
法律的には正しいけれど、一緒にいて不幸な家族と
法律的には間違っているけれど、一緒にいて幸せな家族
どちらが本当の家族と言えるのかを
この映画は問いかける
家族とは、一体何で繋がっているのか
血なのか、金なのか、それとも愛情なのか
カンヌでも絶賛された安藤サクラが
とても良かった
彼女が流した涙は「愛情があるからこその涙」であり
そんな彼女の深い愛情を容赦なく引き裂くのが、法律だったり条例だったりすることが残念であり、とても悲しいことである
せめて、子供たちばどうしたいのか
誰と一緒にいたいのか
お願いだから聞いて欲しいと切に願った
本当に彼ら家族は悪なのか
思い返すと、なんとも複雑で煮え切らない気持ちが残る作品だった
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