「大臣の椅子」葡萄畑に帰ろう odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
大臣の椅子
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大臣の特注の謎の椅子が狂言回しのヒューマンコメディ。
葡萄畑のある故郷はちょっとしか描かれません、邦題のイメージから汚れた政界を引退して故郷で地道に働いて人生の真の価値を見出すシリアスな感動ドラマを予想していたら見事に覆されてしまいました。
さすがに老練な名監督らしくワインを飲みながら作ったような脱力モードでありながら人生あるあるをコミカルに描いて楽しませてくれます。何より「クレオパトラの涙」と称されたワイン発祥の地ジョージアですからワインはソウル・ドリンク、飲めば憂さも紛れるということなのでしょう。
ただ、主人公は悪人ではないのですが「難民追い出し省」と頂けない肩書や他力本願の性格は今一、窮したと言っても帰れる故郷があり優しい家族にも恵まれているのですから同情する余地も薄いので感情移入は微妙。大人たちのさもしさに壁癖とさせられますが無垢な子供やペット、おかしな小道具を散りばめてファンタジックに脚色、不思議とほのぼの感の残る小品でした。
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