「「悪」がいない?」ワンダーウーマン 1984 maruさんの映画レビュー(感想・評価)
「悪」がいない?
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マックスウェルは成り上がりを目指し、果敢にビジネスにチャレンジする。倒産間近でも子供に醜態は見せられないと躍起になった結果、いつからかはわからないが探し求めていた「願いが叶う石」を手にいれ、その石自体になってしまう。そのせいで、「願いを1つだけ」の条件が、他人を介することで自分に優位に働くように「他人のぶんだけ願い」をかなえられるようになる。言い換えれば、他人の願いに乗っかって自分の願いもかなえてもらおうという魂胆。
石だけだったころは、見返りはなく、1つだけという条件だった。条件が取っ払われ、ルールがなくなった石は、人間の欲望の数だけ見境なく願いを聞き入れるもんだから、世界は混沌としていく。
SDGsのテーマにぴったりの映画のような。来世の人らにも現世の我々にもより良い世界にしていきましょう、なんてテーマでもって、ラストは、核戦争を眼前にした、終わりを体現した全人類が、願いを取り下げていく。
己が欲望を優先するあまり、世界は崩壊する。だからSDGsを実行していこう。…なんていう風にも見えました。
さて「悪」は誰か…というより、「悪」とは何か…というより、「悪い方向」があるという感じ。風水ではないけれど行ってはいけない場所というか、そっちに行くとあぶないよという。「悪い方向」とは何かを感じさせてくれた映画です。おもしろかった。
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