「オリンピックを開催しなかったために冒頭が空振り」ワンダーウーマン 1984 侍味さんの映画レビュー(感想・評価)
オリンピックを開催しなかったために冒頭が空振り
2020年はほんと大変な1年だったのは周知の通り。
予定されていた大作映画が軒並み延期、もしくは劇場公開中止でそのまま配信スルーなど、映画ファンにとっては忘れられない一年になったと思う。
そんな中、昨今のストレンジャーシングスに始まる80年代復刻ブームに乗っかる感じで、2019年個人的ベストのサマーオブ84にワンダーウーマンが殴り込み(違う
事前情報でネタバレしていたクリスパインが呆気なく生き返り、彼を前にしたワンダーウーマンの嬉しそうな姿を見て良かったねと思う反面、こんなんで良いんかって感じで宿敵がどんどん凶悪になって最後には何が凄いのか分からないがとにかく凄い存在になる。
かつての同僚もバットマンリターンズのキャットウーマン状態になり前作で辛うじて保たれていたリアリティラインが完全に吹っ飛ぶ。
劇中で倒される悪役的存在は殆どがとばっちり。
何もかもがめちゃくちゃな感じで終盤まで行き、コレをどう言う風に落とし前つけるのかと思ったら、まさかの「ラスボスを倒さない」オチ。
半ば夢オチとも思える終わり方で世の中は元に戻る…戻ったのか?
とにかくワンダーウーマンは強いしカッコいいし最高だと思う。
ただ、僕が求めていたのはバットマンVSスーパーマンの時のテーマソングと共に颯爽と登場してぶちのめしてくれた、あのイカした女なんだよ…
そう思うと、少し切ない。
確かに女性視点の強い女による女性視点の新しい平和の掴み方なんだろうけど…なんか…煮え切らない。
オープニングのシーンも、2020年にオリンピックを予定通り開催していたらまた違った受け取り方だったのだろうけど、コロナのせいなのか、この擦れてしまった僕の心にワンダーウーマンのバイブは届かなかった。
とても楽しみにしてたんだけどな。
80年代ならとりあえずモール出しとけ的な安直な感じは物足りない。
折角ハンスジマー使ってるんだからもっとそれっぽい音楽入れてくれても良かったな。
そう思うと、やはりストレンジャーシングスは偉大だし、サマーオブ84はリスペクトに溢れていた。
一度で良いから、めっちゃオタクな男性監督でのワンダーウーマンも観てみたい。
p.s. ノーラン版バットマン以降、毎回DC作品を観に行く旅に胸がドキドキします。そういえば今回DCオープニング無かった気がする。