「字幕版を見に行きましたが、基本的には(難もあるが)高評価。」ワンダーウーマン 1984 yukispicaさんの映画レビュー(感想・評価)
字幕版を見に行きましたが、基本的には(難もあるが)高評価。
今年59本目(今日、12月19日)。
結構な話題作なのか、全席解放とはいえ観客側が自粛的に「市松模様座り」に徹したのか、その意味では埋まり率8割程度。
当方は字幕版を見に行きました(準1持ち)。この手の映画で字幕版・日本語吹き替え版がある場合、なぜか日本語吹き替え版に極端に比率が偏る傾向があるのですが(商業的な理由?)、この映画はそういう部分は感じませんでした(せいぜい、6:4程度)。
ストーリーの筋としては、わかりやすい「勧善懲悪もの」に色々な味付けや設定を組み込んで、単純な勧善懲悪ものにしませんよ、という点があげられます。ただ、大きな点において「勧善懲悪もの」になりますので、深い点にこだわらなければ最後まで頑張ってみることはできると思います。とはいえ140分はちょっと長いかな…。といっても、どこかカットすべき点があるのか(趣味的なものや、監督のこだわり的な部分)といえばそうではなく、それはそれでよいのではないかと思います(さすがに180分超えたらキツイ…)。
逆に言えばそのような事情なため、「敵との闘いの描写などの表現」などが大きな採点対象になると思いますが、あまりにも理不尽な点はないですし(例えば、主人公でさえ抗えないすごい武器が出てきて一方的にやられるとか)、いくつかある「伏線回収」もそれほど難解ではなく(難解すぎると、そんなのわかるわけない、ということになります。特に洋画の場合、日本と外国の文化の違いがあるので、「このくらい大丈夫だろう」と思ったものが全然大丈夫でない、ということにもなる)、そこはフェアかと思います。
大きな筋で「勧善懲悪もの」と書きましたが、ストーリーの筋としても明確で、一方でその筋「だけ」だとテンプレ化されているので、他の部分を色々入れて補っているのですが、字幕版を見に行った以上、もとの会話は英語表現のままですが、そこがかなり格式高く作られている点は正直良い点かと思います。一例をあきらめれば、「そんなバカなことはあきらめて」という「あきらめる」は give up を使うことが多いですが、この映画では renounce というレベルの高い語彙が何度も登場します。これに限らず表現一般で「知的な表現」が非常に多く(中には、英語圏の文化を知らないとわからない熟語・こどわざ的表現も出てくる)、格式高く作られている印象を強く持ちました(当方は準1持ちですが、出る語彙が全般的に拡張高いので非常に「知的」だな、という印象を持ちました)。
何よりも、コロナ第3波で、アメリカは日本のそれどこではない状況であるにもかかわらず、この映画が無事に公開されることを喜ぶとともに、コロナ問題の早い収束を願ってやみません。
減点は下記の0.1のみですが、軽微なものなので、5.0に切り上げています。
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減点0.1 今回、字幕担当の方は洋画を見に行くときはあまりお見掛けしない方でした。それはともかく、主要人物が話し合っている中で一方のみが翻訳されていない(=字幕に出ていない)というところが目立ちました(最低6か所)。うち2か所は展開の理解について支障をきたす部分であり(ただ、上記のように勧善懲悪ものなので、そのうちわかる)、ちょっと「字幕の付け方」に難があるかな…と正直思いました。
※ よくお見かけする他の方の字幕担当だと、たとえば街の風景の会話のすべてを翻訳・字幕表記することはない(意味がない)のですが、少なくとも「主人公や主人公を取り巻く主要人物の発言」についてはほぼ例外なくもれなく訳しきれている(字幕として現れる)ので、ちょっとこのあたり、視聴者側が混乱しかねない(今回は勧善懲悪ものなので、結果として支障をきたさなかった)点はあげられます。最悪「訳しきれていないところは各自が翻訳して理解しろ」になりかねず、そんなことはそうそうできることではないので、ちょっとこの点は、うーん…と思いました(ただ、大きな傷とはいいがたい。これが、ミステリーものなどで、「翻訳漏れ」が起因して「ストーリーが理解できない」「鍵となるヒント描写が日本語訳されていない」だと大幅減点は避けられない)。
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