劇場公開日 2020年12月18日

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「公開に感謝!」ワンダーウーマン 1984 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0公開に感謝!

2020年12月21日
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鑑賞方法:映画館

単純

興奮

前作から3年余り、ついに待望の続編公開!久しぶりのハリウッド大作に期待を込めて、IMAXで鑑賞してきました。やはりこの手のアクション大作はIMAXがふさわしいです。視界いっぱいに繰り広げられるアクションは臨場感抜群で、作品世界にどっぷり浸ることができました。

ストーリーは、なんでも願いを叶える魔法の石を手に入れた男が企む世界支配を、ダイアナことマンダーウーマンが己の願いを手放してまで阻止しようというものです。ストーリーそのものはわかりやすく、前作未鑑賞でもついていけます。しかし、前作の登場人物が大きく絡み、その人物に心揺さぶられるダイアナに共感するには、やはり前作を先に押さえておくべきでしょう。

冒頭、故郷セミッシラでの幼き日のダイアナが描かれます。さまざまな仕掛けのある過酷なレースがスピーディーに描かれ、テンションが上がります。そして、これが本作を通して訴えるメッセージの伏線となっており、滑り出しは上々です。

しかし中盤、ロマンス展開でややテンポが落ち、マックスの暴走が加速してからは逆に端折りすぎて強引な印象でした。このあたりはストーリー性より勢いとアクション重視で押し切られた感じで、作品全体の印象をやや悪くしまっているようでもったいなかったです。

そして終盤、世界を救うために大切なものを手放して敵に向かうダイアナの姿が切なく、涙を誘います。前作同様、ガル・ガドットの魅力と演技力で、ダイアナから目が離せませんでした。

ただ、ラストの落とし方はいささかあっけなく、都合よく世界が救われた感じで、拍子抜けでした。おかげで、「嘘からは何も生まれない」というメッセージが本作のテーマだったように思うのですが、正直そこまで強く響かなかったです。どちらかといえば、「猿の手」の方が印象的でした。あるいは、愛か夢かの二者択一。

また、今回の敵は極悪人ではなく、人よりちょっと欲と知恵がある普通の男や、同僚の心優しく寂しい女性であり、憎むべき存在ではありません。こうなると、ワンダーウーマンがパワー全開で叩きのめすような敵がいなくて、もっとアクションの見せ場を期待していた自分としてはちょっと物足りなかったです。

いろいろ不満もありますが、軒並み延期の中で公開してくれた久々の大作であることと、ガル・ガドットの魅力におまけして、今回はちょっと甘めの星4つ!

おじゃる