「スタンドバイミー」IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。 U-3153さんの映画レビュー(感想・評価)
スタンドバイミー
映像は凄かった。
前作は結局良い話になっていて、今作こそが恐怖の真髄が待っていると思っていたら、普通に良い話で終わりやがった。
なので、まぁ、後半のドン引き感が半端ない。なんのアトラクションを見せられてるんだろうと、首を傾げる。
どおにも、ペニーワイズの役割としては二面性があって…人外の悪魔な面とと、トラウマのような精神的外傷の具現化と。
この2つの相性がよろしくない。
結局、主人公達はペニーワイズとの決戦に際し、この精神的外傷の克服みたいな事で勝利を収める。それがおそらくは、この物語のテーマであったりもして、つまりは極めてパーソナルな部分なのだ。
なので、前半のペニーワイズはあの手この手で恐怖を煽る。そこら辺の不気味さは中々のものではあるのだが、危機感的には追い詰められて終わりなのだ。そもそもの目的が恐怖を喚起する、なのだから致し方ない。
故に、彼ら以外に波及しない。
街の混乱などは一切描かれない。
彼らの語る伝記が真実ならば、27年周期で子供が大量に行方不明になる町なのだ。
その割には至って平和だ。
どおにも彼ら以外に波及する見込みもなく、集団催眠にでもかかってるのかと、やけに冷めた目で物語を追っていく。
1つ驚いたのは、実際に仲間がペニーワイズによって殺された事だ。
物理的に刺された。
おい、おいおいおい。
だったらもっとやり方あんだろ、クソピエロ!と、悪魔的な殺人鬼の不甲斐なさを嘆く。
で、まぁ…倒して終わりなわけなのだけど、あまりにも広げっぱなしの伏線にうんざりする。
いちいち取り合うのも観終わってからだとバカみたいで。
結局は主人公達の恐怖を煽りたいが為にでっち上げたも数々なわけだ。
いわゆる、なんでもござれ、だ。
おっかしいなぁ…。
昔見た"IT"はこんな爽やかな話ではなかったように思うんだが。
なんか、出来損ないの寓話を観たかのようだ。
結論。
映像はなかなかにホラーだった。
物語は…中途半端でつまらない。
もし、オタクだか研究家の人がいるなら、その解釈を聞かせて欲しい。
なぜ冒頭のゲイは心臓を喰われるのか。
なぜホテルのフロントに人がいないのか。
なぜ、ホテルが古風な洋館なのか。
なぜ、メイク前のペニーワイズが、あんなとこに出てきたのか。
ゾンビのドライバーは何なのか。
心臓近くを刺された不良は、刃物を抜いても大量に出血せず、あんなにも動きまわって、オノで頭を割られて死ぬのか。
人の頭をかち割ってあんなに陽気になれるものなのか。
なぜ仲間は軒並みセレブなのか。
子供の想像のようにも思うし、その割には現実ぽくもあって、どおにも居心地が悪い。