「ホラー要素に力を入れるのは良いが・・・」IT イット THE END “それ”が見えたら、終わり。 凪さんの映画レビュー(感想・評価)
ホラー要素に力を入れるのは良いが・・・
前作と比べるとホラー要素は少しビックリするシーンが格段に増えた。所々に驚くシーンが散りばめられていて、自分の求める恐怖を味わえた。
しかし、ストーリーに関しては内容が薄く、説明不足な点が多いのが非常に残念だった。
①ペニーワイズ誕生について
→CMでもITの秘密について大々的に取り上げているのに
200万年前の民族が関与している。儀式を行ったが悲惨な結末で終わってしまった。
この時点でこの民族は何者?そして結局ITはどうやって生まれた?3時間の尺を取っている分ホラー要素だけでなく内容に力を入れるべきだと思った。
②サブキャラの扱いが酷い
・ヘンリー(長身。いじめっ子チームのリーダー。)
ペニーワイズの能力で恐怖心による洗脳でもないのに平気で動いてるが、その後の展開に全く関与しないサブキャラ。
まず思ったのがお前はなぜ死んでも意思が残ってて自由に動けるんだ!ということ。この設定に拭えない無理やり感を感じた。
・妖怪おばさん
ペニーワイズの娘という伏線を貼っておきながら最後の最後まで関係性が明らかにならないまま終わった。
そもそもペニーワイズは200万年前に誕生したという設定であり、化け物であるのにも関わらずどうしてあのおばさんが誕生したのか。キャラ設定がガバガバだったのがなんとも言えなかった。
③ビバリーの心変わりの早さ
ビルとのキスシーンがありそのまま結ばれると思いきや数時間後にはベンといちゃつく心変わりの早さ。いや、それはさすがに早すぎるでしょ!と思わず心の中でつっこみを入れてしまうほど。自分自身メインヒロインと主人公が結ばれ、そのまま終わりまで直行して終わるのはあまり好きじゃない。
むしろサブキャラと結ばれる方が好きなくらい。しかし、あまりに展開が強引すぎて現実味がなさすぎる。もう少しキャラクターを大事にして欲しかった。
④スタンリーについて
ルーザーズクラブの中でも臆病な性格ゆえに27年後に
唯一ペニーワイズとの闘いに背を向け自殺してしまったキャラ。恐怖心から自殺したくなる気持ちは共感できる。
しかし、いくらなんでも自分がいなくなることでメンバーの団結力が高まることを願うというメッセージは無理やりすぎるのでは?と感じた。だったら恐怖心ゆえにみんなと再開出来ず、真っ先にペニーワイズの餌食になってしまうというポジションでもよかったのではないかと思う。リッチーの決意を固めたキーパーソンとしての立ち位置を守りたかったのだろう。でも返ってキャラを中途半端に消費してしまったのではないかと思った。
〔総合評価〕
トータルで言うならチャプター1の方が内容とホラー要素のバランスが良かった。本作はあまりに比重がホラーに傾きすぎていてB級のホラー映画感が滲み出ていた。期待していた分残念だと思った。
あくまで映画勢の意見なので原作を読んでる方にはご理解いただきたいです。