「富豪の伝統と夢への情熱の相対性」クレイジー・リッチ! クリストフさんの映画レビュー(感想・評価)
富豪の伝統と夢への情熱の相対性
伝統を重んじて滅私奉公を貫く。
自分の夢への情熱を大切にする側からしたら、
正に「クレイジー」だ。
この作品から透けて見えるアメリカという国は、
歴史の浅い、夢に熱い移民ばかりの国、
としか映らないが、
「歴史が浅く移民ばかり」はシンガポールも同じ。
それが同じ中国系なのに価値観が共有出来ないのは、
経済的事情もそうだが、
多くは、家族の年長者を尊ぶ宗教観の違いでしょうか。
逆にアメリカで義母vs嫁みたいなのを描いた場合、
麻雀みたいな昔からのゲームで白黒つけようとしないだろうし、
代々伝わる指輪の重要性も語られない。
ヨーロッパでも今作の様な話は出来るかもしれないが、冒頭でイギリスの伝統あるホテルを買ってしまう「アジアパワー」を見せつけている所には、中国系の方にはとても満足に写るのではないだろうか。
でも最終的にはとても「ロマンチック」で「情熱的」なラストなので、結局アンテテーゼだった。
「ウルフオブウォールストリート」みたいなとんでもない金持ちの話とか今作とか、夢があって娯楽作としては楽しい。
良かったけど1つ注文つけたいのは雀荘シーン。
アガリを放棄した手牌が「緑一色(リューイーソー)」なら、後々の指輪にも繋がってキレイだな、と思ったのは自分だけでしょうか?
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