劇場公開日 2018年12月21日

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「重厚なラブストーリー」アリー スター誕生 ヘルスポーンさんの映画レビュー(感想・評価)

5.0重厚なラブストーリー

2018年12月28日
iPhoneアプリから投稿

#ガガ泣き やら安いキャッチコピーが付けられていますが、

本作はアカデミー作品賞、主演女優賞、主演男優賞、主題歌賞最有力候補と言われており、実際には私は全て受賞してもおかしくないほどの素晴らしい作品だと思います。正直私はナメていました。観てよかったです。

元々クリント・イーストウッドが監督する予定だったが、彼の後継者とも言われているブラッドリー・クーパー君が主演・監督・製作・脚本を務め、初監督作として華々しくデビューしました。2人の毛穴が映るほど極端に近寄ったカメラワークで、2人以外がピンぼけしています。あんなに広いスーパーマーケットにも2人しか客はいません。ライブシーンでも2人だけを映すショットがメインになります。

徹底して2人だけを本当に愛おしく、艶めかしく、そして切なく撮っています。

2人だけの世界なんです。主題歌「Shallow」のように浅せから深みへ2人で落ちていくんです。

「メッセージ」、「ブレードランナー 2049」のドゥニ・ヴィルヌーブ監督がThe Riverの記事で、現代において優れた説得力のあるラブストーリーを作ることの難しさを語った上で、本作は本物だ。と絶賛しています。

ハリウッドラブストーリーとしては王道中の王道脚本で、ララランドも似たような話だったので展開はお馴染みですが、先程取り上げた攻めた撮影手法や決定的なショット・印象に残るシーンがいくつもある。物語の重要な場面での構図の作り方も的確だ。今年最後に素晴らしい作品に出会えた。

ヘルスポーン