「ガガを超越したアリー」アリー スター誕生 nagiさんの映画レビュー(感想・評価)
ガガを超越したアリー
本当に素晴らしい役者というものは、自分を消すことのできる者だとよく言われると思うが、これは少し違う。
自分を消すように演じては演者ではない。本当に素晴らしい演技というのは、自分がある役を演じ、それを観客が見た時に、演者である「自分」がまるで消失して、その役が独り立ちしているような存在を醸し出しているように思えるということなのだ。これは演技だけでなく、芸術でもプロダクトでも建築でも、何でも当てはまることである。
本作を見た時に、アリーをレディー・ガガだと意識した人間はどれだけいるだろうか?彼女は演者であるレディー・ガガなど超越し、「アリー」それ自身ではなかっただろうか?俳優としてのキャリアは殆どないように記憶しているが、彼女のこの演技力は驚くべきというか、さすがというべきか、、、
ガガがアリーにここまでの存在感を投じることができたのは、いうまでもなく彼女の生い立ちがアリーにそのままキャストできることにあろう。まさに適役というわけである。ブラッドリー・クーパーも本作ではこの域に達しつつあって、凄まじかっただけあって、ありきたりな脚本が本当に残念。
私がこの演者自身を超越する演技をみるのは、最近ではジャレット・レトくらいだろうか?彼女の演技に引き込まれました。
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