「久しぶりに見た佳作」心と体と C.B.さんの映画レビュー(感想・評価)
久しぶりに見た佳作
地味な映画ですが、いくつか斬新なアイデアがあり、余韻が残る良作だなと感じました。舞台は食肉工場、人間の食物として動物の生が差し出される場所が舞台。もう一つは、夢に出てくる情景だけど、雄鹿と雌鹿のペアーが雪のある森に現れる。
相手が気になる場合、ついつい目線が向いてしまうって極めて古典的な始まりなのですが、たまたま、同じ夢を見ていることを知り驚く彼と彼女、食肉工場で処方される交尾薬もスパイスのように効いていました。これについては解説がほとんどなく、視聴側の判断に委ねられます。死の前に交尾?3分で済む?せっかくこの世に生を受けたのだから、せめて交尾をさせてやりたいって、残酷でもあり、思いやりでもあるか、と私は解釈しましたが、そういう神経がないとこの仕事は務まらないと主人公の男性も考えています。そして捜査にきた刑事をサーロインステーキ用の肉で釣って、なあなあの捜査にさせてしまう。やりますね。
ヒロイン役の女優さんが綺麗でした。喜怒哀楽の感情がほとんどなく、サヴァン的な特性の女性。しかしひとたび、そうしようと決めて行動する健気さが余韻に残りました。
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