「意外にも本筋はラブコメ」心と体と wutangさんの映画レビュー(感想・評価)
意外にも本筋はラブコメ
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屠殺場でも夢のシーンでも、動物の眼が印象的に何かを訴えかけてくるように撮られていて、さらにハンディを抱えた主人公が登場した序盤では、メッセージ性が強く難解でとっつき難い作品なのかと思った。
しかし、見終わってみれば本質的には古典的で良質なラブコメと言って良いような内容に感じた。
1人の時、仕事の時、異性を前にした時、それぞれの心情やキャラクターがよく出ていて、そんな2人がすれ違いを繰り返しながら前進していき、これからもすれ違うんだろうなーとニヤニヤした。
全般的にタッチが芸術的で、見る側に緊張感を与えておきながら、例えばマーリアが音楽を試聴するシーンで流れたメタル曲や、ポルノを見ている姿や、例えば洒落にならないぐらい流血している時に告白されちゃう間の悪さや。
切実でありながらも、それが故にシュールで味わい深いユーモアを感じた。
それも含めて、見終わった後に妙に何度も反芻してしまう、味わいの深い作品だった。
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