「不器用な大人のおとぎ話に震える」心と体と カピパラさんの映画レビュー(感想・評価)
不器用な大人のおとぎ話に震える
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2人の関係は痛々しくて神々しい。
心が震えるとはこういうことか。
ヒロインが足先を斜陽の線から影に引き込むショット。美しいショットだ。
鹿の夢は神様のいたずらか。
不器用な大人の現代のおとぎ話に最後まで目が離せなかった。
痛々しいくて神々しい。グロテスクな自傷場面。牛の殺傷場面。カメラは遠慮なくそのままを直視させる。
しつこいぐらいに。
ヒロインが本当の自分の人生に気付き、目覚めて、本気で生きたい!と強く渇望する時。
一生懸命自分から脱皮しようとするけなげさが胸を打つ。
私達は痛々しくて、滑稽で、かっこ悪い事はいやだけど。どうしても恋をすると自分をコントロール制御できなくなる。
でもそれが周りの人に共感され、思わぬ人の優しさを引き出す。
その無様さが愛しかったり…
鹿の圧倒的な美しさはなんだろう?
説明なんてできない。自然と地球と美しく共存している姿は圧巻で圧倒的だ。
鹿の眼差し。吐く息。森を駆け巡る力強さ。
あの映像がなければこの映画はここまで美しくならなかった。
想像を超えた世界に連れて行ってくれた作品に感謝です。
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