「ジョシュの気迫だけは伝わってくる雪山サバイバル」マイナス21℃ ぐうたらさんの映画レビュー(感想・評価)
ジョシュの気迫だけは伝わってくる雪山サバイバル
ここのところ、身体を張る演技からはすっかり遠ざかっていたジョシュ・ハートネットだが、この実話ベースの雪山サバイバルでは久々に俳優としての覚悟がじわりと浮かび上がった。決して作り手(監督、脚本)の巧さが光る作品とは言えないところが気の毒ではあるが、自らの衣をひと肌もふた肌も脱ぎ捨てたようなジョシュの演技はホンモノ。特に雪山で全裸になるという意味不明のシーンでは、寒さで思考回路がほぼ停止しているとはいえ、鬼気迫る迫力を感じた。
映画を見慣れた人が観ると、B級、いやC級に思えるかもしれない。予算もそれほど高額ではないだろうし、できるものならジョシュ以外の俳優でいきたかったはず。しかしそん地団駄踏むような製作状況からは想像もつかないほど、なぜか雪山の映像だけはリアルで、CGもほぼ使っていないリアル志向が貫かれている。このたった一本だけ筋を通して見せたところに本作のなんとも言えぬ捨てがたさがある。
コメントする