劇場公開日 2018年6月23日

  • 予告編を見る

「じんわりと優しい映画」猫は抱くもの かなさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0じんわりと優しい映画

2018年6月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

舞台みたいな映画だった。映画なんだけど、作り込まれた舞台セットがきれいで、見入ってしまった。じんわり泣ける。優しさとつらさにじんわりと。
猫はそんなにたくさん出てこない。猫が出てくると自由さに魅了される。
華やかな都会でスポットライトを浴びるアイドルと田舎の片隅で一生懸命働くスーパーの店員。
対照的な世界で沙織は生きてきた。
アイドルをやめてもメンバーカラーの水色をカバンやマフラーにまとい、彼女が出会う画家のゴッホの服は大好きな黄色の絵の具が飛び散る。
沙織の良男と、ゴッホのキイロ。
昔、絵本で見たあおくんときいろちゃんみたいな。2人の旅にも目が離せなかった。
映画を観に行ったきっかけは、なんか毎日に疲れていたのと、吉沢亮くんが猫を演じるらしいというので、気になって久しぶりの休みに電車に乗って観にきたのだけど、すごくよかった。吉沢くんが演じるロシアンブルーの良男はすっごく可愛い。沙織に撫でられて気持ち良さそうにゴロゴロしたり、沙織がトレイに流し込むキャットフードに食いついたり。これは吉沢亮くんだっていうことを忘れて良男可愛いよと完全に良男だと思って見てた。
沢尻エリカさんは女神のように綺麗だし、峯田さんは自由なゴッホにぴったりだった。歌もちょっと歌っていて嬉しかった。コムアイさんはほんと猫がそのまま人間になったような、キュートルックスと透き通るような声。
魔法にかけられたような、長い夢を見ているような素敵な時間だった。

かな