人魚の眠る家のレビュー・感想・評価
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AKBヲタなら見るべき
生と死の境界線
生と死の境界線はどこにあるのか、そんなことをずっと考えながら見ていました。
愛する我が子の死を受け入れられない母親の気持ちは、察するに余りあります。そんな母親が一縷の望みをかけて延命措置を希望し、最先端科学に頼る気持ちもよくわかります。その願いを受け、若い科学者が希望を夢見て研究に没頭していく姿も、共感的に受け止めることができました。
しかし、それが脳死者の肉体的健康を維持する目的を超え、周囲の人間の願望を具現化するための操り人形と化してしまえば、そこにはもう人間の尊厳など存在しません。あるのは生身の人間を傀儡とする狂気だけです。そんな異常さを感じてからは、もう共感などできず、あとはずっと第三者として傍観、いやむしろ引いて見ていたと言ってもいいでしょう。
かたくなに「死」から目をそらし、必死で「生」にすがりつき、しだいに壊れていく母親を、篠原涼子さんが熱演していて、実際そうなってしまうのかもしれませんが、それがどうも空回りし、暴走しているように感じられてしまい、共感できませんでした。娘の「生」を必死にアピールするかのように連れまわしていたのに、終盤でがらりと心情が変化するのも、イマイチ腑に落ちなかったです。
ただ、奇異な行動の理由が明らかにされ、それには十分納得でき、心のどこかでは娘の死を受け入れていたのだと思い、ちょっとホッとしました。ラストも予想どおりの決着のつけ方でしたが、無難な落としどころだと感じました。
人の生死を操作するような研究は、科学の進歩か暴走か。いま一度、一人一人が考える必要があるように思いました。
辛く重いテーマだが、このような状況が不幸だけをもたらす存在では無い事を気付かせてくれた
毎度の事ながら、本作の東野圭吾に因る原作は未読の為に、何処まで原作の良さを描き出しつつ、映画としての面白さを表現出来ているのかは判断が私には出来ない。
だが、ファーストシーンとラストシーンの繋がり方が心地良くて、重い筈の本題のテーマである、臓器移植や、脳死判定等の医療制度に付いての問題点及び、それに纏わる家族みんなの葛藤と言うとても深くてしんどいテーマを見事に、描き出している作品だったと思う。
人命そのもの重さは勿論の事だが、人間が生きているとはどういう事なのか?その命の尊厳と、生きている事の意味を深く考えさせられるヒューマンドラマに仕上がっていると思う。
流石は堤幸彦監督ならではの、エンターテイメント性溢れる画作りに感服した!
私は父親の立場と祖父母の立場で物語を注視していたが、もしも自分が瑞穂の親ならばどう言う決断をするかが、ずーっと最後まで付き纏っていた。
西島演じる瑞穂の父が偶然にも、最先端医療の機器に関わる会社の経営者と言う事も有り、尚更瑞穂の延命が可能となる分、問題を長引かせる結果となったのは、果たして瑞穂にとっては幸せな事だったのか?私には結果が分からない。
余談だが私も、今年、年老いた母の末期がんの介護で最後は延命処置をするか?しないかの決断は自分一人の問題ではないので、物凄い葛藤があった。
実際にこの主人公のような家庭を持つ立場に自分が陥ったならば、経済的なゆとりの有る無しに関わらず、延命させる事の是非の判断は易々と出来るものでは決してないし、下した判断が正しい物であったのかについての疑問は、常に長く付き纏う。
本作を観ていて一番心が痛かったのは、矢張り瑞穂の祖母を演じた松坂慶子の存在が重くしんどい。
彼女は被害者では無く、同じ家族の中でも唯一の加害者になってしまうと言う不幸を更に背負い込む分、瑞穂が回復する事をどれ程望んで止まなかったかを想うと、今でも心が痛む。
そんな中で、瑞穂の治療を手助けする事になる、星野を演じていた坂口健太郎の存在に救われた。真面目で嫌味も無く純粋で少し天然要素を含んでいる彼の優しい存在感にかなりほっと出来た。
母親の薫子もきっと、この研究者がいてくれていた事はかなり希望と救いになっていただろう。
そして少しずつ、壊れて歪んでゆく薫子を演じていた篠原涼子は完全に夫を演じた西島の影を薄くしていたね。
何と言っても母親の子供救いたいと願う事に対する執念の強さに敵う者は存在しない。
それにしても、邦画界でも最近の子役は芝居が上手になってきたものだ。ちゃんと役柄に成りきっているのに、驚きと関心をする。今後が楽しみな三人だ。
薫子が介護疲れで寝入っている時に観る夢に更に、感動する。現実にも似たような出来事はきっと起こるだろうし、何よりも人間が肉体という身体だけの存在だけではなくて、人の本質は魂で、それはどの様な状況でも、家族と繋がって離れるものでは決してないと言う事実にも納得出来るシーンだった。それ故に、私は脳死を持って、やはり死亡判定をする事は認められずに、心肺停止を持って人の死と捉えている日本の今の医療の考え方をどちらかと言うと指示するかも知れない。本作は観る人それぞれの立場や、考え方で評価が大きく分かれるかも知れないですね?
様々な問題を考えさせられる映画だが〜
死の尊厳について改めて鋭く問い掛けられたように思いました
脳死に陥った娘を特殊な技術で生きているように見せることに執着する母親とその家族たちとの愛と葛藤を描くヒューマンタッチの近未来フィクションドラマ。技術が進み、多種多様な延命治療が可能となった現在、人の生死の境が徐々に曖昧になってきているのかも知れません。そんな中、この作品で描かれているような「延命治療(工作)」はまだ実用化されていないとは思いますが、ひょっとしたら案外近い将来実現するかも知れません。そうなると、本当は死んでいても、周囲の人間が「死んで欲しくない」と望めば、あたかも生きているかの如く肉体を維持し続けることも可能になってしまう。そんな社会に生きてみたいと私たちは思いますか? そんな風に生かされたいと私達は望みますか? この作品はそのような問いを改めて投げかけてくれているように感じました。篠原涼子さんが「痛い」母親を熱演。終盤に近づくにつれ、話がドンドンエスカレートして行くだけに最後はどう着地するのか気を揉みましたが、作中の伏線を見事に回収して大団円に持ち込む監督の演出もお見事でした。
タイトルなし
背筋が怖くてゾクッとした😩
東野圭吾ワールド
原作ファンです。
この作品の感じ方や泣けるかは人それぞれ…。
老若男女や年代で意見分かれる作品でしょう。
私は原作把握していて、あまり泣けなかった。ちょい泣きくらい。
原作も薄気味悪さ感じて、映画でも引くくらいの気持ち悪さだった。そこが東野圭吾作品。
映画枠内に上手く収められてて、色彩美も非常に美しかった。
小説を読んだときも自分の答えは出なかったし、今回映画見ても答え出なかった。
人の領域を越してしまっているけど、実際もう現実でも実現可能な領域なのだろうから恐ろしい…
答えも出ないし地に足が付かない気持ち悪さです(褒めてます
東野圭吾ワールドはこれが良い…これで良い。
薄気味悪くゾッとする話なのに、映画では美しく綺麗に仕立ててくれました。笑
東野圭吾シリーズは映画のキャスト選抜がいい。
最初と最後の少年が繋がったときはおぉっ!って思った。ほんとこゆとこ!
一瞬、物凄い映画かも、と思ったけど─
脳死問題、臓器提供の問題、医療の問題、家族の問題…様々な事柄を感じさせてくれる物凄い作品なのでは─と思いながら強い気持ちで作品を堪能。この作品の行き着くテーマは人間の根元の部分、つまりは生きるということはどういうことなのか…というところにまで到達してしまうのか!?大いなる期待を持って偉大な結末を待っていたのだが─。結果的に、ドラマティックな映画というところに落ち着いて、少しだけ…いや相当ガッカリしてしまった。
決して悪い作品だとは思わないけれど、前半のクオリティがあまりに高いと感じてしまっただけに、物語の終息のさせ方に身勝手な失望を抱いてしまったというところ。
異常な精神状態、暴走、エゴ…肯定できない事柄が描かれていて、それを断ち切るべく進んでいくべきものなのだろうが、あくまで個人的な願望としては、一方的な方向に突き進んでいって、新たな進化を見たかった。AIなんか駆使して…まぁそう思わせてくれるだけのパワーを持った作品だとは思う。知的でそれでいて創造性豊かなストーリーであることは間違いない。
撮影技術を含めた絵づくり、抑えつつも効果的な音楽、そして篠原涼子の演技、それらは文句なく最高のものだと感じた。
見終わって冷静に作品を眺めると、素晴らしい映画であることは確かだとは思うのだけれど、どうしても終わりが好きになれない。あの決断で終わってよかったのではなかろうか。まぁ勝手な戯言です。
原作超えの感動作!
サイコ…
子役の演技指導!?
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