「とにかく美しいシャーリーズ・セロンが堪能できる。」ロング・ショット 僕と彼女のありえない恋 天秤座ルネッサンスさんの映画レビュー(感想・評価)
とにかく美しいシャーリーズ・セロンが堪能できる。
この映画の最大の貢献は、シャーリーズ・セロンをとにかく美しく撮ったことだと思う。いやいや、黙っていたって彼女は美しい。もはや世界で最も美しい造形をした生ける芸術品かと思うほど。しかし女優魂の逞しい彼女はその美貌に甘んじることなく、必要あらばメイク・ダウンさせて役を演じることも少なくない。しかしこの度、才色兼備の国務長官という役所によって、彼女の美貌が最大限に活かされた。切り揃えられた美しいブロンド。デザインに無駄のない美しい衣装を着こなし、凛とした美しい立ち姿で実にスマートな所作を魅せる。あぁ本当にうっとりしてしまう。これだけでもこの映画は観る価値があると言えるほどだし、彼女の美しさを作品に残してくれてありがとうという気持ちになる。と同時に、シャーリーズ・セロンがこういった作風の、いわゆるロマンティック・コメディというやつに出ているのは実に貴重なことで、あまり見ることのないセロンの姿が見られるのもファンとしては嬉しいことだった。
一応は「ロマンティック・コメディ」ということなのだとは思うが、厳密にいうと少々違うという気もする。「ロマンティック・コメディ」という言葉から連想する甘さやキュートさは控えめで、ドギツイ下ネタやブラックジョークも多いからだ。つまりは「セス・ローゲン映画」なのである。あくまでセス・ローゲン映画にシャーリーズ・セロンがゲスト主演した形とでも言おうか。必ずしもそれが私の好みと一致したわけではなかったし、全てのシーンが快適な笑いだったというわけでもなかったけれども、ただ最初はどう見たって不釣り合いとしか思えなかったセロンとローゲンのカップリングが、映画を見終わるころにはちゃんとキュートなカップルに見えたのは褒められていいはず。
でもね、ちょっと長いよね。内容的に考えてこれで2時間越えは長い。決してダラダラしているという印象はなかったものの、寧ろしつこいというかくどさを感じることは多分にあった。