15時17分、パリ行きのレビュー・感想・評価
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事件のパートが凄く短くて驚きました。 でも安定感のある作りで、観終...
事件のパートが凄く短くて驚きました。
でも安定感のある作りで、観終わると上手く纏まってる感じがします。
事件の当事者が演じてるとの事ですが、演技はどうなんでしょうか?字幕で観てると全く違和感なく思いました。
小説ではなく物語
小説は人生の中のクライマックスを象徴化して劇的に描くものだが、物語は人生の全て(時にはストーリー展開には無関係に見えるものも)を描くものである。この映画は後者であったと思う。だから「単純」で「怖く」て「幸せ」な印象を持った。これまでの人生の、挫折や妥協やささやかな幸せ、そうした平凡なことを体験していなければ、テロの理不尽さは分からない。
★3.5なのは、主人公側の視点(非常にキリスト教的)しかないから。主人公とテロリスト、二人を動かしているものが畑は違うがともに「信仰」であるならば、イーストウッド監督による両者の視点から作ったものを是非見たいと思った。
劇映画の極北
イーストウッドの映画はここ10年で色々なモノを削ぎ落としてきた。まず音楽が最小限になった。最近では照明を使わないらしい。そして本作ではプロの俳優を最小限にして主人公を本人に演じさせるという。イーストウッドの年齢でこの挑戦は凄いが彼ほどのキャリアがないとこんな企画は通らないのも事実。これをテロをテーマにしたサスペンスと思って観に行くと肩透かしを食らう。昔からイーストウッドの映画は事前のイメージと違うものが多い。観客を煙にまくひと。
本作はほぼ3つのパートに別れている。主人公たちの少年期を描く第1パート、彼らのヨーロッパ旅行を描く第2パート、そしてテロ当日の第3パート。少年期のパートはしっかり演出された劇映画になっているので、ヨーロッパ旅行の件は何だこれは?と思ってしまう。若者たちの旅行をただ延々と撮っていく。何のドラマも事件へ繋がる伏線もない。そしてパリ行きの急行に乗ると唐突に事件が起こる。イーストウッドが凄いのはこのバラバラなタッチにみえた各パートが最後で見事に収斂している点。普通の若者が遭遇したテロと彼らの奇跡的な行動を描くのに映画的な演出は要らないと納得出来る。
主役3人も良い味出してる。
このあとイーストウッドはどやって観客を煙にまくのだろう。
皆さんのコメを見て内容を承知の上の鑑賞だったのだが
幼なじみの3人組の生い立ちから欧州横断旅行での事件に巻き込まれるまでの物語 実話なら仕方ないがあんまりにも平凡過ぎて話の中身も均等に繋がって無いような!
事件の尺が
一番知りたかった列車のテロシーンが凄く短く、ほとんどが主人公達の生い立ちだった。
実話だと思うと怖いし、凄い話だと思うが、予告で変に期待してたがため少しだけ物足りなさを感じた。
しかも、表彰されたのが、4人いてもう一人おじさんがいたのに、映画の中じゃおじさんがどんな人物なのかもわからないし、もう少し乗り合わせた乗客の心情や、人物像などを交えて列車のシーンを増やしてもよかったんじゃないかと思った。
でも実話で実際の人たちが演じてると思うとほんと素晴らしい話だと思う。
非日常は突然に
テロそのもののシーンはかなり短い。上映時間の大半を占めるのは当事者たちの生い立ちやヨーロッパ旅行の様子。「アメリカンスナイパー」のようなヒリついた雰囲気を期待している人にはオススメできないと思う。
ただ当事者たちのバックグラウンドに時間を使っていることで日常が非日常(テロ)に変わる瞬間にハッとさせられた。
「相棒」や「インフェルノ」のようにテロをサスペンスの材料として使うのではなく、とことんリアルにこだわっていることがわかった。だからこそ「これは、誰の日常にも起きる現実。」というキャッチコピーがハマっていると感じた。
「(テロについて)知ってもらいたい」という気持ちが最大限伝わる素晴らしい映画だと思う。
映画の枠を超えた傑作
「これは真実の物語」
このような切り口から始まる映画は数多くある。このような映画は真実を物語として上手く取り込み、映画的な感動をもたらす。ノンフィクションがフィクションとして完結し『いい映画』となる。
この映画では、物語のほとんどは映画的には進まない。つまりドラマとしては何ということのない日常が映し出される。演出らしい演出もなく、よく言って上手く撮れたホームビデオだ。これだったら、他に面白い映画は無数にある。それに“これまでのような面白い映画”を期待するのであればこの映画は不向きである。
この映画の優れたところは、物語が現実と繋がる瞬間にある。この瞬間を演出するための映画と言ってもいいくらいだ(キアロスタミの映画にも同じような演出があるが、あちらはその真実さえ演出されている)。
真実が虚構の中に収まって、『いい映画』として終わるのではなく(もちろんこういう映画も大好きである)、物語が現実へと繋がり、『じゃあ、あなたはどうするんだ』というメッセージに気付く。
これまでの映画が“内に向かっていく感動”だとすると、この映画は外に向かっていく。
この映画的興奮は、他にない。
監督の視点の素晴らしさ!
映画を観た後に、あの3人が!本人達だと知って!!!本当に驚いた!
イーストウッドの監督作品は、大好きですが、
今回も、やはり期待通り。。心に響く作品でした。
内容自体は、実話だとはいえ、まさか!本人達の再現だなんて!!すごいキャスティングを実行したな!と
感心してしまいました!
これ以上のリアリティはないでしょう。
ごく普通の青年3人のうち、正義感の強い2人が、
軍人になって。。たまたま3人で、ヨーロッパ旅行へ旅立った。。
しかし、偶然はないのかもしれない。
この普通の青年達は、ごく普通に、自然に、
正義を貫く行動力を持っていた!という事実。
どういう子供時代を送ったか。。とか、
友達と出会ったかとか。。大人になるまでに大きく影響するだろうが、なにより。。彼らの母の愛が、
信頼が、彼らの中に健全な正義感を形成したのだと。。思いました。
私にとって、とても大好きな映画の一つになりました。
人はいつかの目的のために生きてる!
主人公のアンソニーは子どもの頃から
劣等生扱いされてたけれど、
自分は戦争で人を助ける!
という信念をいつも抱いていた。
彼には同じように劣等生扱いされてる
2人の仲間がいて、
3人は大人になり別々の道にあっても、
仲間関係が続いていた。
アンソニーは上手くいかないことがあっても
いつも自分の信念を忘れなかった。
自分は人生に導かれている!
何か成す人間である!
そして、本当に運命は動いた。
彼はその時のために準備をして生きてきたので、
何も迷うことなく、大きな偉業を達することができたのだと知り、深く感動しました!
同じときに、同じ場所にいた、子ども時代からの仲間。
最後は劣等生扱いの3人は
フランス政府から多くの人を守ったと
最大の栄誉の勲章をもらい、
アメリカの地元でもヒーローになった。
見終わったあと、演じていたのが本人たちだと知り、
もう一度見たくなりました笑
ハラハラもするし感動もある、、
素敵な映画です❤️おすすめします!
良い映画でした!
学校では問題児扱いされていた少年たちが、青年になってから人を助けて町の人たちから祝福される姿にジーンときました。小さい時にADDかもしれないと学校から呼び出され、シングルマザーの子は問題が多いと言われた時の母親の気持ち、とてもよくわかりました。
ヨーロッパ旅行でも所々で今時の若者らしくて、息子の映画を見ているようでした。
イーストウッド流"再現ビデオ"
文字通りです。
主題としては運命に導かれた若者達がテロリストと戦うというもので、それは偶然ではなく神の導き?必然だったと言う…
出演している3人が実際の事件に遭遇したご本人達
(それにしても芸達者だ‼︎)
であるという一風変わったドキュメンタリー的なところが、子供時代などどこまで事実なのかは置いとくとしても、イーストウッドの作家性云々論じられるところなんでしょうが、個人的には、同じ実話ならハドソン川の奇跡の方が面白かったです。
何故プロの役者ではなく、素人で撮影したのかその辺の経緯はわかりませんが、あえて批判も承知で撮影したところは実験的な作品であることは確かだと思います。
また、周りのそんなに映画見ない人達がこの作品に興味を抱いていたので、そのあたり今回あらためて予告編の出来って大切だなぁと思い知らされたのでした。
テロを題材に、アメリカの自信を取り戻そう、というような内容に見えた...
テロを題材に、アメリカの自信を取り戻そう、というような内容に見えた。
テロリストの背景は全く描かれておらず、ただテロを悪とすることが、本当にテロについて考えることなのかどうか、疑問に思った。
最後まで見届ける覚悟
テロの場に居合わせた人達がその凶行を防いだ実話をベースに登場人物を本人たちに演技させるという実験的な映画。
ここ何年かのクリント・イーストウッド監督の新作は全て観てる。
最近では映画をとおしてクリント・イーストウッドの監督業を追ったドキュメンタリーを観てるような気がしてる。
ラスト30分の緊迫感。運命に導かれた青年達の勇姿。
【賛否両論チェック】
賛:3人の若者達が、導かれるように事件へと至っていく過程に驚かされると同時に、いつ起きるか分からない非常事態に対し、自分ならどう行動するべきなのか、改めて考えさせられる。
否:テロ事件そのものの描写はラスト30分くらいなので、期待しすぎて観ると拍子抜け&退屈してしまいそう。
まず何よりも特筆すべきは、犯人を取り押さえた青年達本人が、自身を演じているという点です。そのため、エピソード1つ1つにも、自然とリアリティが感じられるようです。一方、肝心のテロ事件そのものを描いたシーンはラストの30分くらいで、映画のメインはあくまでも3人の若者達が育ってきた姿なので、事件そのものの過程を期待しすぎて観ると、思わず拍子抜けして退屈してしまいそうです。
それでもよくよく観ていると、スペンサー達3人の決断や行動の1つ1つが、運命づけられているように事件へと繋がっていることに気づかされます。
「もし彼らが酔っ払いに勧められずに、アムステルダムに行かなかったら・・・?」
「もし彼らがパリに行くのをやめて、列車に乗らなかったら・・・?」
「もし彼らが、列車の座席を移動していなかったら・・・?」
考えれば考えるほど、事件を最小限で食い止めた3人の存在の大きさに驚かされます。
そしてフランス大統領が語っていたように、
「危機に瀕した時、誰もが行動することが大切。」
という言葉にも、改めて考えさせられます。いつ何時、誰の身にも起こりうる非常事態に、自分がどう行動出来るのか。そんなことを問いかけてくる作品です。是非ご覧下さい。
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