「幾度も途中退席を考えた」ゴジラ キング・オブ・モンスターズ 孫次さんの映画レビュー(感想・評価)
幾度も途中退席を考えた
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荒唐無稽で退屈なストーリーは我慢しよう。シンゴジラのようなクオリティは期待していない。じきにゴジラが現れて圧倒的な巨体とエネルギーに打ち震えるだろう。そうなれば理屈など吹き飛ばしてくれるに違いない。ハリウッド映画を楽しもう。そう思っていた。
ところが怪獣が登場するたびに、その期待値がどんどん下がっていく。この監督、映画って大きなスクリーンで観ることを知ってますか?それともスマホ限定の映画?画面いっぱいのクローズアップが多すぎる。巨大さを一番効果的に表すのは遠景、引きの絵であることを知らないのか。ひと昔前ならば難しかった遠景での特撮も今の映像技術ならば、空気の層の厚みや重さも含めて想像を絶する巨大な生物が数キロ先、数百メートルから迫ってくるリアリティーを表現できるはずなのに、それがまったく駄目。せっかく全体像が判るシーンも空や山の頂上など遠近感ゼロ。
圧倒的な破壊力もエネルギーも遠景視点でこそ、その存在をリアルに体感できるのに、耳元でドッカーン、ドッカーンやられても爆破現場に放り込まれたような感覚だけ。
どんなに技術があってもセンスがないと、こんな惨事を招いてしまうのか。
モスラの美しさを観客に強要するような演出やセリフもキツかった。えっ?これでキレイ!って感動するとでも信じてんの(苦笑)。だって、キラキラし過ぎて画面がハレーション起こしていて、なんだかワカんないから。最後にゴジラが天に向かって雄叫びを上げるシーン、ジュラシックパークじゃねぇかよ!あぁ残念極まりない。
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